PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午前 第87問

整形外科学第47回午前

第47回 理学療法士国家試験 午前 第87問(整形外科学)の正答は 2・3 です。小児の骨は骨膜が厚く弾力性に富み、骨端線(成長軟骨板)が存在するという点で成人と大きく異なります。

問題
成人と比べ、小児の骨折で多いのはどれか。2つ選べ。
  1. 1. 偽関節
  2. 2. 過成長
  3. 3. 若木骨折
  4. 4. 関節拘縮
  5. 5. 角状変形の遺残

正答:2・3番

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解説
■ 正答:2・3番 — 過成長/若木骨折

小児の骨は骨膜が厚く弾力性に富み、骨端線(成長軟骨板)が存在するという点で成人と大きく異なります。そのため若木骨折(不全骨折)という小児特有の骨折型をとり、また骨折後は骨端線周囲の血流増加により患肢が健側より長くなる過成長が起こります。


【各選択肢の解説】

1. 偽関節
❌ 誤り。小児は骨膜が厚く血流も豊富で骨形成能が高いため、骨癒合が速く偽関節はまれです。偽関節は高齢者や、大腿骨頸部内側骨折・舟状骨骨折など血行の乏しい部位で問題になります。
2. 過成長
✅ 正しい。骨折部の血流増加が骨端線を刺激し、とくに大腿骨骨幹部骨折後などで患側が1〜2 cm長くなることがあります。そのため治療時にあえて短縮位で整復することもあります。
3. 若木骨折
✅ 正しい。骨膜が厚く骨が柔らかいため、若木を折ったときのように一方の皮質だけが折れて他方は連続性を保つ不全骨折になります。小児に特徴的な骨折型です。
4. 関節拘縮
❌ 誤り。小児は組織の柔軟性が高く、固定後の拘縮は成人に比べてはるかに生じにくく、回復も速いのが特徴です。成人(とくに高齢者)では逆に拘縮が大きな問題になります。
5. 角状変形の遺残
❌ 誤り。小児は自家矯正能(リモデリング)が高く、多少の角状変形は成長とともに矯正されます。とくに骨端線に近い部位・変形が屈曲伸展方向にある場合は矯正されやすいのが特徴です。ただし回旋変形は自家矯正されにくく残ります。

【試験対策ポイント】

小児骨折の特徴は「骨膜が厚い・骨が柔らかい・骨端線がある・治りが速い」の4点から全部説明できます。

  • 若木骨折・竹節状(隆起)骨折が多い ← 骨が柔らかく骨膜が厚い
  • 骨癒合が速く偽関節はまれ ← 骨膜の骨形成能が高い
  • 角状変形は自家矯正される ← 成長に伴うリモデリング
  • 過成長が起こる ← 骨折部の血流増加が骨端線を刺激する
  • 骨端線損傷では成長障害・変形を残す ← 骨端線が存在する
  • 拘縮になりにくい ← 組織の柔軟性が高い
骨端線損傷の分類はSalter-Harris分類(I〜V型)で、V型(圧挫型)が最も成長障害を残しやすいことが問われます。また小児に多い骨折として、上腕骨顆上骨折(Volkmann拘縮・肘内反変形に注意)、肘内障(橈骨頭亜脱臼、2〜4歳、手を引っ張られて発症)も頻出です。「自家矯正されにくいのは回旋変形」という但し書きも合わせて覚えておきましょう。

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