第45回 理学療法士国家試験 午後 第9問
神経内科学第45回午後
第45回 理学療法士国家試験 午後 第9問(神経内科学)の正答は 2 です。頭部単純CT水平断(基底核〜視床レベル)では、正中よりやや左寄りの視床に高吸収域(血腫)があり、第三脳室から左側脳室へ広がる脳室穿破を伴っています。
問題
70歳の男性。頭部CT(別冊No. 3)を別に示す。この患者の慢性期の症状で最も重度なのはどれか。
- 1. 着衣失行
- 2. 感覚障害 ✓
- 3. 運動麻痺
- 4. 不随意運動
- 5. 半側空間無視
正答:2番
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解説
■ 正答:2番 — 感覚障害
頭部単純CT水平断(基底核〜視床レベル)では、正中よりやや左寄りの視床に高吸収域(血腫)があり、第三脳室から左側脳室へ広がる脳室穿破を伴っています。視床は後外側腹側核(VPL)などが全身の体性感覚を大脳皮質へ中継する部位であるため、視床出血では対側(右)半身の感覚障害が慢性期まで最も重度に残り、しびれや自発痛(視床痛)を伴います。
【各選択肢の解説】
1. 着衣失行
❌ 誤り。主に右(劣位)半球の頭頂葉病変で生じる症状です。本例の病巣は左視床であり、中心的な症状にはなりません。
❌ 誤り。主に右(劣位)半球の頭頂葉病変で生じる症状です。本例の病巣は左視床であり、中心的な症状にはなりません。
2. 感覚障害
✅ 正しい。視床は体性感覚の中継核であり、出血により対側半身の表在・深部感覚が広範に障害されます。慢性期には視床痛(激しい灼熱感・自発痛)として残存しやすく、5つの中で最も重度になります。
✅ 正しい。視床は体性感覚の中継核であり、出血により対側半身の表在・深部感覚が広範に障害されます。慢性期には視床痛(激しい灼熱感・自発痛)として残存しやすく、5つの中で最も重度になります。
3. 運動麻痺
❌ 誤り。血腫が内包後脚に及べば急性期に片麻痺を呈しますが、血腫が吸収されるにつれて回復しやすく、感覚障害ほど重度には残りません。
❌ 誤り。血腫が内包後脚に及べば急性期に片麻痺を呈しますが、血腫が吸収されるにつれて回復しやすく、感覚障害ほど重度には残りません。
4. 不随意運動
❌ 誤り。視床出血後に不随意運動(視床手、ジストニアなど)がみられることはありますが、頻度は低く、最も重度の症状にはなりません。
❌ 誤り。視床出血後に不随意運動(視床手、ジストニアなど)がみられることはありますが、頻度は低く、最も重度の症状にはなりません。
5. 半側空間無視
❌ 誤り。右(劣位)半球の頭頂葉や右視床の病変で生じます。本例は左視床の出血なので、主症状にはなりません。
❌ 誤り。右(劣位)半球の頭頂葉や右視床の病変で生じます。本例は左視床の出血なので、主症状にはなりません。
【試験対策ポイント】
脳出血は部位ごとの症状が問われます。
| 出血部位 | 頻度 | 特徴的な症状 |
|---|---|---|
| 被殻 | 最多(約40〜50%) | 対側片麻痺が優位、病巣側への共同偏視 |
| 視床 | 約30% | 対側の感覚障害が優位、視床痛、眼球が内下方を向く、脳室穿破・水頭症 |
| 皮質下 | — | 部位に応じた高次脳機能障害(失語・無視) |
| 小脳 | — | めまい・嘔吐・失調、頭痛。血腫増大で脳幹圧迫 |
| 橋 | — | 意識障害・四肢麻痺・縮瞳(pinpoint pupil) |
視床=感覚、被殻=運動という対比で覚えると得点源になります。左半球病変では失語(視床性失語)、右半球病変では半側空間無視が加わる点も確認しておきましょう。
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