第45回 理学療法士国家試験 午後 第16問
内部障害理学療法第45回午後
第45回 理学療法士国家試験 午後 第16問(内部障害理学療法)の正答は 1・4 です。2型糖尿病の運動療法の基本は、大筋群を使う有酸素運動を、食後1時間頃(食後高血糖のピーク)に行うことです。
問題
70歳の男性。2型糖尿病。心房細動があるが、β遮断薬によって安静時の脈拍70/分前後にコントロールされている。食事療法と運動療法とを通して生活習慣の改善に取り組みはじめた。運動処方の内容で適切な組合せはどれか。2つ選べ。
- 1. 種類 ―― ウォーキングによる有酸素運動を行う。 ✓
- 2. 強度 ―― 運動時の脈拍110/分を目標とする。
- 3. 持続時間 ―― 1回の運動で10分を目標とする。
- 4. 実施時間帯 ―― 食事の1時間後を目安に開始する。 ✓
- 5. 頻度 ―― 週に2回を目標とする。
正答:1・4番
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解説
■ 正答:1・4番 — 種類:ウォーキングによる有酸素運動/実施時間帯:食事の1時間後を目安に開始する
2型糖尿病の運動療法の基本は、大筋群を使う有酸素運動を、食後1時間頃(食後高血糖のピーク)に行うことです。この時間帯の運動は食後高血糖を効果的に下げ、空腹時の運動で起こりやすい低血糖も避けられます。なお本例は心房細動があり、さらにβ遮断薬を内服しているため心拍数が運動強度の指標として使えない点も重要です。
【各選択肢の解説】
1. 種類 ―― ウォーキングによる有酸素運動を行う。
✅ 正しい。ウォーキングなど大筋群を用いる有酸素運動はインスリン感受性を高め、血糖コントロールと心血管リスクの改善に有効です。高齢者にも安全に導入できます。
✅ 正しい。ウォーキングなど大筋群を用いる有酸素運動はインスリン感受性を高め、血糖コントロールと心血管リスクの改善に有効です。高齢者にも安全に導入できます。
2. 強度 ―― 運動時の脈拍110/分を目標とする。
❌ 誤り。β遮断薬は運動時の心拍数上昇を抑えるため、心拍数を強度の指標にできません。加えて心房細動では心拍数そのものが不整で信頼性を欠きます。この場合はBorgスケール11〜13(楽である〜ややきつい)で調整します。
❌ 誤り。β遮断薬は運動時の心拍数上昇を抑えるため、心拍数を強度の指標にできません。加えて心房細動では心拍数そのものが不整で信頼性を欠きます。この場合はBorgスケール11〜13(楽である〜ややきつい)で調整します。
3. 持続時間 ―― 1回の運動で10分を目標とする。
❌ 誤り。糖代謝の改善効果を得るには1回20〜60分程度が必要で、10分では不十分です。合計で1日20〜30分以上を目標とします。
❌ 誤り。糖代謝の改善効果を得るには1回20〜60分程度が必要で、10分では不十分です。合計で1日20〜30分以上を目標とします。
4. 実施時間帯 ―― 食事の1時間後を目安に開始する。
✅ 正しい。食後1時間頃は血糖値が最も高くなる時間帯で、この時期の運動が食後高血糖の是正に最も効果的です。空腹時を避けることで低血糖予防にもなります。
✅ 正しい。食後1時間頃は血糖値が最も高くなる時間帯で、この時期の運動が食後高血糖の是正に最も効果的です。空腹時を避けることで低血糖予防にもなります。
5. 頻度 ―― 週に2回を目標とする。
❌ 誤り。運動によるインスリン感受性の改善効果は48〜72時間で消失するため、週3回以上(できれば毎日、少なくとも中1日以内)が推奨されます。
❌ 誤り。運動によるインスリン感受性の改善効果は48〜72時間で消失するため、週3回以上(できれば毎日、少なくとも中1日以内)が推奨されます。
【試験対策ポイント】
糖尿病の運動処方(FITT)の基本値を数値で覚えます。
| 項目 | 推奨 |
|---|---|
| 頻度(Frequency) | 週3回以上、できれば毎日(中1日以上あけない) |
| 強度(Intensity) | 中等度(最大酸素摂取量の40〜60%、Borg 11〜13) |
| 時間(Time) | 1回20〜60分、1日合計20〜30分以上 |
| 種類(Type) | 有酸素運動が中心+週2〜3回のレジスタンス運動 |
心拍数が使えない条件(β遮断薬内服・心房細動・ペースメーカー装着・自律神経障害)では、必ず自覚的運動強度(Borgスケール)に切り替えます。糖尿病の運動療法の禁忌(増殖性網膜症・腎症の進行・重度の自律神経障害・空腹時血糖250 mg/dL以上とケトーシス)も併せて確認しておきましょう。
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