PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午後 第29問

神経疾患理学療法第45回午後

第45回 理学療法士国家試験 午後 第29問(神経疾患理学療法)の正答は 1 です。CI療法(constraint-induced movement therapy)は、健側上肢をミトンや三角巾で拘束して使えなくし、麻痺側上肢の使用を強制的に増やす治療法です。

問題
脳卒中による片麻痺の上肢に対するCI療法(constraint-induced movement therapy)で正しいのはどれか。
  1. 1. 健側上肢を拘束する。
  2. 2. 慢性期例は適応とならない。
  3. 3. 理学療法士の近位監視下で行う。
  4. 4. 他動的関節可動域訓練を長時間行う方法である。
  5. 5. 患側手指がBrunnstrom法ステージⅡで適応となる。

正答:1番

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解説
■ 正答:1番 — 健側上肢を拘束する。

CI療法(constraint-induced movement therapy)は、健側上肢をミトンや三角巾で拘束して使えなくし、麻痺側上肢の使用を強制的に増やす治療法です。これにより学習性不使用(learned non-use)を打破し、麻痺側の課題指向型訓練を1日数時間・2週間程度集中して行います。


【各選択肢の解説】

1. 健側上肢を拘束する。
✅ 正しい。健側を拘束(constraint)することが名称の由来であり、この治療法の中核です。原法では覚醒時間の約90%を拘束するとされています。
2. 慢性期例は適応とならない。
❌ 誤り。CI療法はもともと慢性期の片麻痺で有効性が示された治療法で、発症から長期間が経過した例でも上肢機能の改善が報告されています。
3. 理学療法士の近位監視下で行う。
❌ 誤り。療法士の指導下での課題練習に加え、生活場面で麻痺側を使わせるtransfer package(行動学的手法)が不可欠で、監視下だけで完結する訓練ではありません。
4. 他動的関節可動域訓練を長時間行う方法である。
❌ 誤り。行うのは他動運動ではなく、段階的に難度を上げる自動運動(shaping法)と課題指向型訓練です。
5. 患側手指がBrunnstrom法ステージⅡで適応となる。
❌ 誤り。適応の目安は手関節背屈20度以上・手指伸展10度以上が可能なレベルで、おおむねBrunnstrom stageⅣ以上です。ステージⅡでは課題そのものが実行できません。

【試験対策ポイント】

CI療法の3本柱は、①健側をミトンや三角巾で覚醒時間の大半にわたり拘束すること、②shaping法による1日数時間×2週間程度の集中的な課題練習、③日記や行動契約で生活場面へ般化させるtransfer package、である。

適応条件=ある程度の随意運動が残っていること(手関節背屈20度・手指伸展10度が目安)。「重度麻痺にも使える」「他動運動である」「急性期限定」はすべて誤りの定番。

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