PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午後 第43問

物理療法第45回午後

第45回 理学療法士国家試験 午後 第43問(物理療法)の正答は 1・3 です。寒冷は筋紡錘の感受性とγ運動ニューロンの活動を低下させるため痙縮を減弱させます。

問題
寒冷療法の作用はどれか。2つ選べ。
  1. 1. 痙縮の減少 ✓
  2. 2. 代謝率の上昇
  3. 3. 痛覚閾値の上昇 ✓
  4. 4. 初期の血流増加
  5. 5. 軟部組織の伸展性増加

正答:1・3番

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解説
■ 正答:1・3番 — 痙縮の減少/痛覚閾値の上昇

寒冷は筋紡錘の感受性とγ運動ニューロンの活動を低下させるため痙縮を減弱させます。また末梢神経の伝導速度を低下させ、痛みを伝えるAδ線維・C線維の活動を抑えるので痛覚閾値が上昇します(鎮痛作用)。


【各選択肢の解説】

1. 痙縮の減少
✅ 正しい。筋紡錘の発火頻度の低下とγ系の抑制により伸張反射が減弱し、痙縮が一時的に軽減します。
2. 代謝率の上昇
❌ 誤り。寒冷は組織代謝を低下させます。この代謝低下が二次的な組織損傷(低酸素による細胞死)の抑制につながることが、急性外傷でアイシングを行う根拠です。
3. 痛覚閾値の上昇
✅ 正しい。神経伝導速度の低下と侵害受容器の感受性低下により、痛みを感じにくくなります。
4. 初期の血流増加
❌ 誤り。寒冷刺激の初期反応は交感神経を介した血管収縮で、血流は減少します。長時間の寒冷では反応性の血管拡張(ハンチング反応)が起こりますが、これは初期反応ではありません。
5. 軟部組織の伸展性増加
❌ 誤り。寒冷は組織の粘弾性を低下させ、伸展性はむしろ減少します。伸展性を高めたいならストレッチ前の温熱が適切です。

【試験対策ポイント】

寒冷と温熱は表で正反対に並べて覚える。

項目寒冷療法温熱療法
血流初期は減少(後にハンチング反応)増加
代謝低下亢進
神経伝導速度低下上昇
痛覚閾値上昇(鎮痛)上昇(鎮痛)
痙縮減少減少
組織の伸展性低下増加

痛覚閾値の上昇と痙縮の軽減は両者に共通なので、鑑別に使えるのは血流・代謝・伸展性の3つ。急性外傷はRICE(安静・冷却・圧迫・挙上)で寒冷、慢性期の拘縮にはストレッチ前の温熱が原則。寒冷の禁忌は閉塞性動脈疾患、Raynaud現象、寒冷過敏症(寒冷蕁麻疹)、知覚脱失部位。

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