PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午前 第37問

物理療法第49回午前

第49回 理学療法士国家試験 午前 第37問(物理療法)の正答は 5 です。超音波療法の温熱効果は、組織内を伝わる縦波(疎密波)によって分子が振動し、組織間に生じる摩擦(分子間の内部摩擦)によって熱が発生することで得られます。

問題
温熱を目的とした超音波療法で正しいのはどれか。
  1. 1. 0.1 W/cm²未満の強度が推奨される。
  2. 2. 3 MHzでは1 MHzより深部まで加熱できる。
  3. 3. 圧電効果によるエネルギー変換を用いている。
  4. 4. 超音波プローブは対象部位に固定して照射する。
  5. 5. 超音波振動による摩擦熱によって温熱作用が生じる。

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 超音波振動による摩擦熱によって温熱作用が生じる。

超音波療法の温熱効果は、組織内を伝わる縦波(疎密波)によって分子が振動し、組織間に生じる摩擦(分子間の内部摩擦)によって熱が発生することで得られます。表在性の温熱(ホットパックなど)と違い、深部(1MHzで約3〜5cm)まで加温できるのが最大の特徴です。


【各選択肢の解説】

1. 0.1 W/cm²未満の強度が推奨される。
❌ 誤り。温熱目的では一般に1.0〜2.0 W/cm²程度を用います。0.1〜0.5 W/cm²のごく低出力や間欠(パルス)照射は非温熱効果(組織修復促進)を狙う場合の設定です。
2. 3 MHzでは1 MHzより深部まで加熱できる。
❌ 誤り。逆です。周波数が高いほど組織で吸収・減衰されやすく浅い部位に作用します。3 MHzは表層(約1〜2cm)、1 MHzは深部(約3〜5cm)が目安です。
3. 圧電効果によるエネルギー変換を用いている。
❌ 誤り。超音波の発生に用いるのは、振動子に電圧をかけて機械的振動を起こす逆圧電効果です。圧電効果は機械的な圧力から電圧が生じる逆向きの現象で、変換の方向が逆になります。
4. 超音波プローブは対象部位に固定して照射する。
❌ 誤り。固定すると定在波が生じて局所が過熱し、熱傷や骨膜痛を起こします。プローブは常にゆっくり動かす移動法(ストローク法・円移動法)が原則です。
5. 超音波振動による摩擦熱によって温熱作用が生じる。
✅ 正しい。音響エネルギーが組織内の分子振動による摩擦で熱エネルギーに変換され、深部の腱・靱帯・関節包が加温されます。

【試験対策ポイント】

超音波療法の数値と禁忌は丸暗記が必要な頻出項目です。

  • 周波数と深さ:1 MHz=深部3〜5cm/3 MHz=浅部1〜2cm(周波数が高いほど浅い
  • 強度:温熱目的1.0〜2.0 W/cm²、非温熱(パルス)0.1〜0.5 W/cm²
  • 照射時間:1回5〜10分程度、照射面積は有効照射面積の2〜3倍まで
  • カップリング剤(ゲル・水)必須:空気中では超音波がほとんど伝わらない
  • 禁忌:眼球、生殖器、妊婦の腹部・腰部、心臓、悪性腫瘍部、成長期の骨端線、ペースメーカー植込み部、感覚脱失部位、深部静脈血栓症
「3MHzは深い」という選択肢は毎回のように出る引っかけです。周波数が高い=細かい波=すぐ吸収されて浅いとイメージで覚えましょう。

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