PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午後 第86問

整形外科学第45回午後

第45回 理学療法士国家試験 午後 第86問(整形外科学)の正答は 4 です。大腿骨頸部内側骨折は関節包内骨折であり、骨頭を栄養する内側大腿回旋動脈からの支帯動脈が骨折で断裂しやすく、骨頭壊死や偽関節を高率に合併します。

問題
骨壊死を起こしやすいのはどれか。
  1. 1. 上腕骨外科頸骨折
  2. 2. 肘頭骨折
  3. 3. 中手骨骨折
  4. 4. 大腿骨頸部内側骨折
  5. 5. 踵骨骨折

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 大腿骨頸部内側骨折

大腿骨頸部内側骨折は関節包内骨折であり、骨頭を栄養する内側大腿回旋動脈からの支帯動脈が骨折で断裂しやすく、骨頭壊死や偽関節を高率に合併します。このため若年〜活動性の高い例では骨接合、高齢者や転位の大きい例では人工骨頭置換術が選択されます。


【各選択肢の解説】

1. 上腕骨外科頸骨折
❌ 誤り。骨頭壊死を来しやすいのは血行が乏しい解剖頸骨折です。外科頸は骨頭への血行が保たれるため壊死は稀で、高齢者に多く保存療法が基本です。
2. 肘頭骨折
❌ 誤り。血行が良く壊死は起こしません。上腕三頭筋に引かれて転位するため、多くは観血的整復固定(引き寄せ締結法)が行われます。
3. 中手骨骨折
❌ 誤り。血行が豊富で骨癒合は良好です。手部で骨壊死・偽関節を来しやすいのは舟状骨骨折(近位部の血行が乏しい)です。
4. 大腿骨頸部内側骨折
✅ 正しい。関節包内骨折で血行が途絶しやすく、骨頭壊死・偽関節のリスクが高い代表例です。
5. 踵骨骨折
❌ 誤り。海綿骨で血行が豊富なため壊死は稀です。足部で壊死しやすいのは距骨骨折(距骨は筋付着がなく血行が乏しい)です。

【試験対策ポイント】

骨壊死・偽関節を来しやすい骨折の「4点セット」で覚えます。大腿骨頸部内側骨折(骨頭壊死)/手の舟状骨骨折/距骨骨折/上腕骨解剖頸骨折。いずれも「血行が乏しい」「関節包内」が共通キーワードです。

大腿骨頸部骨折(内側)と転子部骨折(外側)の違いも頻出。転子部骨折は関節包外・血行良好で骨癒合しやすいが、出血量が多く腫脹・皮下出血が強く出ます。頸部骨折は腫脹が目立たないのに患肢が短縮・外旋位をとります。

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