第45回 理学療法士国家試験 午後 第89問
神経内科学第45回午後
第45回 理学療法士国家試験 午後 第89問(神経内科学)の正答は 5 です。中心性頸髄損傷は、頸椎症などで脊柱管が狭くなった中高年に、転倒などの過伸展外力で生じます。
問題
中心性頸髄損傷の特徴はどれか。
- 1. 20歳代に多い。
- 2. 大きな外力によって生じる。
- 3. 頸椎の脱臼骨折を伴う。
- 4. 知覚麻痺は重度である。
- 5. 下肢よりも上肢の運動障害が著しい。 ✓
正答:5番
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解説
■ 正答:5番 — 下肢よりも上肢の運動障害が著しい。
中心性頸髄損傷は、頸椎症などで脊柱管が狭くなった中高年に、転倒などの過伸展外力で生じます。頸髄中心部(灰白質周囲)が主に損傷され、皮質脊髄路のうち上肢を支配する線維が内側=中心寄りを走るため、下肢より上肢の麻痺が強いのが最大の特徴です。
【各選択肢の解説】
1. 20歳代に多い。
❌ 誤り。頸椎症性変化や黄色靱帯の肥厚が背景となるため、中高年〜高齢者に多く発生します。
❌ 誤り。頸椎症性変化や黄色靱帯の肥厚が背景となるため、中高年〜高齢者に多く発生します。
2. 大きな外力によって生じる。
❌ 誤り。転倒して顔面や額を打つ程度の比較的軽微な過伸展外力で発症します。
❌ 誤り。転倒して顔面や額を打つ程度の比較的軽微な過伸展外力で発症します。
3. 頸椎の脱臼骨折を伴う。
❌ 誤り。骨傷を伴わない非骨傷性頸髄損傷の代表であり、単純X線では異常を認めないことが多くMRIが診断に有用です。
❌ 誤り。骨傷を伴わない非骨傷性頸髄損傷の代表であり、単純X線では異常を認めないことが多くMRIが診断に有用です。
4. 知覚麻痺は重度である。
❌ 誤り。感覚障害は運動麻痺に比べて軽度で、しびれ・温痛覚の解離性障害にとどまることが多いです。
❌ 誤り。感覚障害は運動麻痺に比べて軽度で、しびれ・温痛覚の解離性障害にとどまることが多いです。
5. 下肢よりも上肢の運動障害が著しい。
✅ 正しい。上肢優位、特に手指の巧緻性障害が目立ちます。膀胱直腸障害を伴うこともあります。
✅ 正しい。上肢優位、特に手指の巧緻性障害が目立ちます。膀胱直腸障害を伴うこともあります。
【試験対策ポイント】
脊髄の不全損傷型は組合せで整理します。
| 型 | 障害部位 | 特徴 |
|---|---|---|
| 中心性脊髄損傷 | 頸髄中心部 | 上肢>下肢の運動麻痺・過伸展損傷 |
| 前脊髄症候群 | 前2/3(前脊髄動脈領域) | 運動麻痺+温痛覚障害、深部感覚は残存 |
| Brown-Séquard症候群 | 片側半切 | 同側の運動・深部感覚障害+対側の温痛覚障害 |
| 後脊髄症候群 | 後索 | 深部感覚障害・感覚性運動失調 |
中心性頸髄損傷は予後比較的良好で、下肢→膀胱機能→上肢近位→手指の順に回復し、手指の巧緻性障害が最後まで残りやすい点も押さえます。
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