第46回 理学療法士国家試験 午前 第9問
地域理学療法第46回午前
第46回 理学療法士国家試験 午前 第9問(地域理学療法)の正答は 3 です。家族に促されれば1km歩けるのに日常生活ではあまり外出しないという状態は、「できる活動(能力)」と「している活動(実行状況)」が乖離している典型例である。
問題
78歳の女性。脳梗塞発症後に中等度の左片麻痺を呈した。回復期リハビリテーション病棟を経て自宅での生活に戻っている。現在、家族の促しがあれば1 kmの歩行が可能であるが、日常生活ではあまり外出しない。
この患者への理学療法で適切なのはどれか。
- 1. トレッドミル歩行
- 2. 電動車椅子の導入
- 3. 屋外での歩行練習 ✓
- 4. 左片麻痺の回復促進
- 5. 不整地でのバランス練習
正答:3番
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解説
■ 正答:3番 — 屋外での歩行練習
家族に促されれば1km歩けるのに日常生活ではあまり外出しないという状態は、「できる活動(能力)」と「している活動(実行状況)」が乖離している典型例である。生活期の理学療法では、この乖離を埋めて生活範囲を広げることが目標となるため、実際の屋外環境での歩行練習が最も適切である。
【各選択肢の解説】
1. トレッドミル歩行
❌ 誤り。屋内の平坦・一定条件での歩行能力はすでに1km歩けるレベルに達しており、これ以上「能力」を高めても外出という行動には結びつきにくい。
❌ 誤り。屋内の平坦・一定条件での歩行能力はすでに1km歩けるレベルに達しており、これ以上「能力」を高めても外出という行動には結びつきにくい。
2. 電動車椅子の導入
❌ 誤り。歩行能力が保たれている患者に電動車椅子を導入すると活動量がさらに低下し、廃用症候群を進める。
❌ 誤り。歩行能力が保たれている患者に電動車椅子を導入すると活動量がさらに低下し、廃用症候群を進める。
3. 屋外での歩行練習
✅ 正しい。段差・傾斜・路面の変化・信号・人混みなど実際の屋外環境に慣れることが外出行動(参加)につながり、生活期の目標である生活範囲の拡大に直結する。
✅ 正しい。段差・傾斜・路面の変化・信号・人混みなど実際の屋外環境に慣れることが外出行動(参加)につながり、生活期の目標である生活範囲の拡大に直結する。
4. 左片麻痺の回復促進
❌ 誤り。発症から時間が経過し自宅生活に戻った生活期では、麻痺そのものの回復を主目的とするより、残存能力を用いた活動・参加の拡大を優先する。
❌ 誤り。発症から時間が経過し自宅生活に戻った生活期では、麻痺そのものの回復を主目的とするより、残存能力を用いた活動・参加の拡大を優先する。
5. 不整地でのバランス練習
❌ 誤り。屋外歩行の一要素としては意味があるが、この患者の課題は「外出という行動が起きていないこと」であり、実際の外出場面そのものを練習する屋外歩行練習のほうが優先度が高い。
❌ 誤り。屋外歩行の一要素としては意味があるが、この患者の課題は「外出という行動が起きていないこと」であり、実際の外出場面そのものを練習する屋外歩行練習のほうが優先度が高い。
【試験対策ポイント】
・ICFでは「活動」を能力(capacity)と実行状況(performance)に分けて捉える。両者の差が大きい症例では、環境因子(外出先・移動手段・家族の関わり)と個人因子(意欲・自信)への働きかけが鍵になる。
・生活期(維持期)リハビリテーションの目的=機能回復そのものではなく、活動・参加の維持拡大と廃用症候群の予防。
・高齢者の生活範囲の評価には Life-Space Assessment(LSA)を用いる。
・「閉じこもり」は廃用→フレイル→要介護度の悪化という悪循環の入口。外出頻度は週1回未満が閉じこもりの目安とされる。
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