第46回 理学療法士国家試験 午前 第10問
神経内科学第46回午前
第46回 理学療法士国家試験 午前 第10問(神経内科学)の正答は 4・5 です。多系統萎縮症は小脳症状・パーキンソニズム・自律神経障害を主徴とする神経変性疾患である。
問題
65歳の男性。多系統萎縮症。日常生活活動では一部に介助を要するが、明らかな廃用症候群はみられない。最近、起床して布団から立ち上がるときに、ふらつきを強く感じるようになった。
ふらつきの原因として考えられるのはどれか。2つ選べ。
- 1. 運動麻痺
- 2. 視覚障害
- 3. アテトーゼ
- 4. 協調運動障害 ✓
- 5. 起立性低血圧 ✓
正答:4・5番
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解説
■ 正答:4・5番 — 協調運動障害、起立性低血圧
多系統萎縮症は小脳症状・パーキンソニズム・自律神経障害を主徴とする神経変性疾患である。「起床して布団から立ち上がるとき」というのは臥位から急に起き上がる場面であり、自律神経障害による起立性低血圧が最も典型的な原因となる。加えて小脳性の協調運動障害(体幹失調)もふらつきの直接の原因となる。
【各選択肢の解説】
1. 運動麻痺
❌ 誤り。多系統萎縮症では錐体路徴候(腱反射亢進、Babinski徴候)を伴うことはあるが、明らかな運動麻痺は主症状ではなく、起き上がり直後のふらつきの原因としては考えにくい。
❌ 誤り。多系統萎縮症では錐体路徴候(腱反射亢進、Babinski徴候)を伴うことはあるが、明らかな運動麻痺は主症状ではなく、起き上がり直後のふらつきの原因としては考えにくい。
2. 視覚障害
❌ 誤り。視力低下・視野障害は多系統萎縮症の症候に含まれない。
❌ 誤り。視力低下・視野障害は多系統萎縮症の症候に含まれない。
3. アテトーゼ
❌ 誤り。アテトーゼは大脳基底核(線条体)障害による緩徐な不随意運動で、アテトーゼ型脳性麻痺などでみられる。多系統萎縮症の特徴的症状ではない。
❌ 誤り。アテトーゼは大脳基底核(線条体)障害による緩徐な不随意運動で、アテトーゼ型脳性麻痺などでみられる。多系統萎縮症の特徴的症状ではない。
4. 協調運動障害
✅ 正しい。オリーブ橋小脳萎縮を主体とする病型(MSA-C)では小脳性運動失調が前景に立ち、体幹失調により起立・歩行時のふらつきが生じる。
✅ 正しい。オリーブ橋小脳萎縮を主体とする病型(MSA-C)では小脳性運動失調が前景に立ち、体幹失調により起立・歩行時のふらつきが生じる。
5. 起立性低血圧
✅ 正しい。自律神経障害により起立時に血圧を維持できず、特に臥位から起き上がった直後に立ちくらみ・ふらつきをきたす。多系統萎縮症では排尿障害とともに早期から出現する。
✅ 正しい。自律神経障害により起立時に血圧を維持できず、特に臥位から起き上がった直後に立ちくらみ・ふらつきをきたす。多系統萎縮症では排尿障害とともに早期から出現する。
【試験対策ポイント】
・多系統萎縮症(MSA)の3要素:小脳症状(MSA-C=旧オリーブ橋小脳萎縮症)、パーキンソニズム(MSA-P=旧線条体黒質変性症)、自律神経障害(旧Shy-Drager症候群)。
・起立性低血圧の定義=起立後3分以内に収縮期血圧20mmHg以上、または拡張期血圧10mmHg以上の低下。
・対応:急な起き上がりを避け段階的に起立する、弾性ストッキング・腹帯の使用、脱水を避ける、頭部を高くして就寝する、ティルトテーブルによる起立訓練。
・声帯外転障害による吸気性喘鳴と睡眠時の突然死のリスクがあり、夜間の呼吸状態にも注意する。
・「廃用性の筋力低下はない」と明記されているため、筋力低下を原因に挙げる選択肢は最初に除外できる。
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