第46回 理学療法士国家試験 午前 第13問
神経内科学第46回午前
第46回 理学療法士国家試験 午前 第13問(神経内科学)の正答は 5 です。第6頸髄節まで機能残存(C6)では、手関節背屈(長・短橈側手根伸筋)は可能だが、手指屈筋(深指屈筋はC8)と母指対立筋(C8〜T1)が麻痺しているため、随意的に指を握る動作ができない。
問題
頸髄損傷者(第6頸髄節まで機能残存)にできない動作はどれか。
- 1. 図1
- 2. 図2
- 3. 図3
- 4. 図4
- 5. 図5 ✓
正答:5番
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解説
■ 正答:5番 — 図5
第6頸髄節まで機能残存(C6)では、手関節背屈(長・短橈側手根伸筋)は可能だが、手指屈筋(深指屈筋はC8)と母指対立筋(C8〜T1)が麻痺しているため、随意的に指を握る動作ができない。図5は鉛筆に取り付けた球状のグリップを指で握って書字しており、手指の把持を必要とするためC6では行えない。
【各選択肢の解説】
1. 図1
✅ できる。両手掌でコップを挟んで口へ運ぶ動作は、手指の屈曲を使わず両側上肢で挟持するだけで成立するため、C6でも可能である。
✅ できる。両手掌でコップを挟んで口へ運ぶ動作は、手指の屈曲を使わず両側上肢で挟持するだけで成立するため、C6でも可能である。
2. 図2
✅ できる。手関節を背屈させると腱固定作用(テノデーシスアクション)で母指と示指が近づき、軽い物を手掌と母指の間で保持できる。
✅ できる。手関節を背屈させると腱固定作用(テノデーシスアクション)で母指と示指が近づき、軽い物を手掌と母指の間で保持できる。
3. 図3
✅ できる。C6では三角筋・上腕二頭筋・手関節背屈筋が機能するため手を頭部まで運べる。ブラシは手掌に当てて保持するか自助具を用いれば整髪が可能である。
✅ できる。C6では三角筋・上腕二頭筋・手関節背屈筋が機能するため手を頭部まで運べる。ブラシは手掌に当てて保持するか自助具を用いれば整髪が可能である。
4. 図4
✅ できる。スプーンの柄を指と指の間に挟んで保持する方法は握力を必要としないため、C6でも可能である。
✅ できる。スプーンの柄を指と指の間に挟んで保持する方法は握力を必要としないため、C6でも可能である。
5. 図5
❌ できない(これが正答)。球状のグリップを握るには手指屈筋群(C8)の随意収縮が必要で、C6では不可能である。C6の書字は手関節に装着する万能カフ(ユニバーサルカフ)にペンを差し込んで行う。
❌ できない(これが正答)。球状のグリップを握るには手指屈筋群(C8)の随意収縮が必要で、C6では不可能である。C6の書字は手関節に装着する万能カフ(ユニバーサルカフ)にペンを差し込んで行う。
【試験対策ポイント】
| 残存高位 | 新たに使える主な筋 | 到達できる動作 |
|---|---|---|
| C4 | 横隔膜・僧帽筋 | 自発呼吸可。環境制御装置・顎コントロール電動車椅子 |
| C5 | 三角筋・上腕二頭筋 | 肘屈曲可。装具+カフで食事が一部自立 |
| C6 | 長短橈側手根伸筋・大胸筋鎖骨部 | テノデーシス把持。プッシュアップ、車椅子駆動、更衣・移乗が自立レベルに |
| C7 | 上腕三頭筋・手根屈筋 | 肘伸展が可能となりプッシュアップ・移乗が安定。ほぼ自立 |
| C8 | 深指屈筋・浅指屈筋 | 手指の随意屈曲が可能。巧緻動作を除きほぼ自立 |
・C6の鍵は「手関節背屈=テノデーシス」。手関節を背屈させると指が受動的に屈曲して軽い物をつまめる。腱を短縮させておくためテノデーシスを妨げるストレッチはしない。
・C6で用いる代表的装具=手関節駆動式把持装具(RIC型)、万能カフ。
・選択肢に「指で握る」動作が含まれていれば、C6ではできないと判断してよい。
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