第46回 理学療法士国家試験 午前 第12問
整形外科疾患理学療法第46回午前
第46回 理学療法士国家試験 午前 第12問(整形外科疾患理学療法)の正答は 4 です。黄色靱帯骨化症は胸椎(特に下位胸椎)に好発し、脊柱管の後方から胸髄を圧迫する。
問題
40歳の女性。2年前から歩行障害を自覚し、黄色靱帯骨化症と診断され手術を予定している。特記すべき併存症はみられない。
この患者の理学療法の目的で適切でないのはどれか。
- 1. 痙性歩行の改善
- 2. 下肢の筋力増強
- 3. 胸部絞扼感の軽減
- 4. 上肢の感覚障害の改善 ✓
- 5. 骨盤底筋群の筋力増強
正答:4番
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解説
■ 正答:4番 — 上肢の感覚障害の改善
黄色靱帯骨化症は胸椎(特に下位胸椎)に好発し、脊柱管の後方から胸髄を圧迫する。障害されるのは圧迫レベルより下位、すなわち体幹下部と下肢であり、上肢は障害されない。したがって上肢の感覚障害の改善を理学療法の目的に挙げるのは適切でない。
【各選択肢の解説】
1. 痙性歩行の改善
✅ 適切。胸髄が圧迫されると下肢に痙性対麻痺を生じ、突っ張るような痙性歩行となる。改善を目指すべき対象である。
✅ 適切。胸髄が圧迫されると下肢に痙性対麻痺を生じ、突っ張るような痙性歩行となる。改善を目指すべき対象である。
2. 下肢の筋力増強
✅ 適切。胸髄障害による下肢の筋力低下は主要な問題であり、術前・術後を通じて筋力の維持と増強が必要である。
✅ 適切。胸髄障害による下肢の筋力低下は主要な問題であり、術前・術後を通じて筋力の維持と増強が必要である。
3. 胸部絞扼感の軽減
✅ 適切。胸髄レベルの障害では体幹に帯状の締めつけ感(絞扼感)が生じる。呼吸法指導・姿勢調整・リラクセーションで軽減を図る。
✅ 適切。胸髄レベルの障害では体幹に帯状の締めつけ感(絞扼感)が生じる。呼吸法指導・姿勢調整・リラクセーションで軽減を図る。
4. 上肢の感覚障害の改善
❌ 適切でない(これが正答)。上肢を支配するのは頸髄(C5〜T1)であり、胸椎レベルの黄色靱帯骨化症では上肢に症状は生じない。
❌ 適切でない(これが正答)。上肢を支配するのは頸髄(C5〜T1)であり、胸椎レベルの黄色靱帯骨化症では上肢に症状は生じない。
5. 骨盤底筋群の筋力増強
✅ 適切。胸髄障害では膀胱直腸障害を伴うことがあり、骨盤底筋群の訓練は排尿・排便機能の改善に有用である。
✅ 適切。胸髄障害では膀胱直腸障害を伴うことがあり、骨盤底筋群の訓練は排尿・排便機能の改善に有用である。
【試験対策ポイント】
| 疾患 | 好発部位 | 主な症状 |
|---|---|---|
| 後縦靱帯骨化症(OPLL) | 頸椎に最多 | 上肢のしびれ・巧緻運動障害+下肢の痙性麻痺 |
| 黄色靱帯骨化症(OYL) | 下位胸椎に最多 | 下肢の痙性麻痺・しびれ、体幹の帯状絞扼感、膀胱直腸障害(上肢症状なし) |
・いずれも指定難病で、日本人・中年男性に多く、糖尿病や肥満との関連が指摘されている。
・上肢症状の有無で頸椎病変か胸椎病変かを切り分けるのが国試の定石。
・胸髄障害では腹壁反射の消失レベルから障害高位を推定できる(上部T7〜9、中部T9〜11、下部T11〜12)。感覚のデルマトームは剣状突起T6、臍T10、鼠径部L1を指標にする。
・胸椎は脊柱管が狭く血流も乏しいため、除圧術後も回復が緩やかで、術後リハでは廃用予防と歩行の再獲得が中心となる。
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