PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午前 第15問

内部障害理学療法第46回午前

第46回 理学療法士国家試験 午前 第15問(内部障害理学療法)の正答は 4 です。長期の糖尿病により末梢神経障害(両下肢のしびれ)と末梢動脈疾患(右足指の暗赤色変化)を合併している。

問題
80歳の男性。40歳代から糖尿病で治療を受けている。徐々に下肢のしびれと歩行障害とをきたし、数か月前から右足指が暗赤色を呈している。 生活指導として適切でないのはどれか。
  1. 1. 足は清潔に保つ。
  2. 2. 毎日、足の傷の有無を確認する。
  3. 3. 足指が圧迫されない靴を選択する。
  4. 4. 足指の冷感に対して湯たんぽを用いる。
  5. 5. 足への負荷にならない程度の訓練を行う。

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 足指の冷感に対して湯たんぽを用いる。

長期の糖尿病により末梢神経障害(両下肢のしびれ)と末梢動脈疾患(右足指の暗赤色変化)を合併している。感覚が鈍麻した足に湯たんぽを当てると熱さに気づけず低温熱傷を起こしやすく、しかも血行障害のため創傷が治りにくく壊疽へ進行する危険が高い。したがって適切でない。


【各選択肢の解説】

1. 足は清潔に保つ。
✅ 適切。感染を防ぐフットケアの基本である。ぬるめの湯で毎日洗い、指の間まで水分をよく拭き取る。
2. 毎日、足の傷の有無を確認する。
✅ 適切。感覚障害があると痛みで傷に気づけないため、毎日の目視確認(見えにくい部位は鏡を使う)が必須である。
3. 足指が圧迫されない靴を選択する。
✅ 適切。靴による圧迫・摩擦は足潰瘍の主要な原因である。足に合った、つま先に余裕のある靴を選ぶ。
4. 足指の冷感に対して湯たんぽを用いる。
❌ 適切でない(これが正答)。知覚鈍麻のため熱さを自覚できず低温熱傷を生じる。冷感には保温性のある靴下を用い、直接的な熱源は使わない。
5. 足への負荷にならない程度の訓練を行う。
✅ 適切。運動は血糖コントロールと末梢循環の改善に有用だが、潰瘍発生を避けるため足に強い荷重・摩擦がかからない範囲で行う。

【試験対策ポイント】

・糖尿病足病変の3因子=神経障害(感覚鈍麻・発汗低下による乾燥)、末梢動脈疾患(虚血)、易感染性
・フットケア指導の定番:毎日観察する/ぬるめの湯(38〜40℃)で洗う/爪はまっすぐ切る(深爪・角の切り込みをしない)/素足で歩かない/靴の中の異物を確認する/たこ・魚の目を自分で削らない/湯たんぽ・電気あんか・カイロ・こたつなどの熱源を直接当てない
・足指の暗赤色〜黒色への変化は壊疽の前段階であり、速やかに医師へ報告する。
・糖尿病患者への物理療法では、感覚障害のある部位への温熱・寒冷はいずれも熱傷・凍傷の危険があるため原則避ける。

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