PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午前 第17問

義肢装具学第46回午前

第46回 理学療法士国家試験 午前 第17問(義肢装具学)の正答は 3 です。図3は手関節の背屈運動をリンク機構によって母指と示指・中指のつまみ動作に変換する手関節駆動式把持装具(RIC型把持装具)である。

問題
装具の適応で正しいのはどれか。
第46回午前第17問 図
  1. 1. 正中神経麻痺
  2. 2. 橈骨神経麻痺
  3. 3. 脊髄損傷(第6頸髄節まで機能残存)
  4. 4. 腱板断裂術後
  5. 5. 上腕骨骨幹部骨折

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 脊髄損傷(第6頸髄節まで機能残存)

図3は手関節の背屈運動をリンク機構によって母指と示指・中指のつまみ動作に変換する手関節駆動式把持装具(RIC型把持装具)である。C6では手関節背屈が可能である一方、手指の随意屈曲ができないため、この装具はまさにC6頸髄損傷の適応となる。


【各選択肢の解説】

1. 正中神経麻痺
❌ 誤り。図1は前腕から手掌までを支持して手関節を背屈位に保つコックアップ・スプリントで、下垂手を防ぐ橈骨神経麻痺用の装具である。正中神経麻痺(猿手)には母指を対立位に保つ短対立装具を用いる。
2. 橈骨神経麻痺
❌ 誤り。図2は母指の付け根を包んで母指を対立位に保持する短対立装具で、正中神経麻痺の適応である。橈骨神経麻痺には手関節を背屈位に保持するコックアップ・スプリントを用いる。
3. 脊髄損傷(第6頸髄節まで機能残存)
✅ 正しい。手関節背屈と連動して母指と指腹がつまみ動作を行う把持装具であり、テノデーシスを利用できるC6の適応である。
4. 腱板断裂術後
❌ 誤り。図4は上腕を筒状に包んで複数のベルトで締める上腕骨骨幹部骨折用の機能的装具(ファンクショナルブレース)である。腱板断裂術後には修復部の緊張を減らすため肩を外転位に保持する外転装具を用いる。
5. 上腕骨骨幹部骨折
❌ 誤り。図5は支柱と外転枕で肩を外転位に保持する肩外転装具で、腱板断裂術後や腋窩神経麻痺の適応である。上腕骨骨幹部骨折には図4のような上腕を包む機能的装具を用いる。

【試験対策ポイント】

病態適応となる装具目的
橈骨神経麻痺(下垂手)コックアップ・スプリント手関節を背屈位に保持する
正中神経麻痺(猿手)短対立装具母指を対立位に保持する
尺骨神経麻痺(鷲手)ナックルベンダーMP関節の過伸展を防ぎ屈曲を補助する
頸髄損傷C6手関節駆動式把持装具(RIC型)、万能カフテノデーシスをつまみ動作に変換する
腱板断裂術後肩外転装具(外転枕付き)修復した腱板の緊張を軽減する
上腕骨骨幹部骨折上腕機能的装具(ファンクショナルブレース)肩・肘を動かしたまま骨折部を保持する

・本問は1と2、4と5がそれぞれ入れ替えられた典型的な作りである。装具の「形」と「適応疾患」を必ずセットで覚える。
・上肢装具は「どの動きを止め、どの動きを助けるか」で整理すると混乱しにくい。

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