PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午前 第27問

神経内科学第46回午前

第46回 理学療法士国家試験 午前 第27問(神経内科学)の正答は 2・3 です。Wallenberg症候群は椎骨動脈・後下小脳動脈の閉塞による延髄外側症候群です。

問題
Wallenberg症候群において病巣と同側に認めるのはどれか。2つ選べ。
  1. 1. 下肢麻痺
  2. 2. 小脳失調
  3. 3. 声帯麻痺
  4. 4. 上下肢の触覚低下
  5. 5. 上下肢の温痛覚脱失

正答:2・3番

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解説
■ 正答:2・3番 — 小脳失調/声帯麻痺

Wallenberg症候群は椎骨動脈・後下小脳動脈の閉塞による延髄外側症候群です。延髄の外側にある下小脳脚・疑核・三叉神経脊髄路核・交感神経下行路が同側性に障害され、外側脊髄視床路の障害だけが対側(頸部以下)の温痛覚障害として現れます。錐体路と内側毛帯は延髄の内側にあるため侵されません。


【各選択肢の解説】

1. 下肢麻痺
❌ 誤り。錐体路は延髄腹内側の錐体を通るため、外側の梗塞では障害されず、四肢の運動麻痺は原則として生じません。
2. 小脳失調
✅ 正しい。下小脳脚(および小脳半球)の障害により、病巣と同側の四肢・体幹の失調、同側への転倒傾向が出現します。
3. 声帯麻痺
✅ 正しい。疑核の障害で同側の軟口蓋・咽頭・喉頭が麻痺し、嗄声(声帯麻痺)・嚥下障害・カーテン徴候をきたします。
4. 上下肢の触覚低下
❌ 誤り。触覚・深部感覚は後索−内側毛帯路を上行し、延髄の内側を通るため保たれます。「解離性感覚障害(温痛覚だけが障害され触覚は保たれる)」が本症候群の特徴です。
5. 上下肢の温痛覚脱失
❌ 誤り。外側脊髄視床路の障害で生じますが、これは既に交叉した線維のため病巣と対側の頸部以下に現れます。同側に出るのは顔面の温痛覚障害です。

【試験対策ポイント】

同側か対側かを表で整理して覚えます。

症状(責任病巣)
小脳失調(下小脳脚)同側
嗄声・嚥下障害(疑核)同側
Horner症候群(交感神経下行路)同側
顔面の温痛覚障害(三叉神経脊髄路核)同側
頸部以下の温痛覚障害(外側脊髄視床路)対側
運動麻痺・触覚・深部感覚障害生じない

顔は同側・体は対側という交代性感覚障害がキーワードです。嚥下障害・構音障害が強く出るため、PTでは誤嚥予防と体幹失調に対する座位・立位バランス訓練が中心になります。

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