PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午前 第28問

神経疾患理学療法第46回午前

第46回 理学療法士国家試験 午前 第28問(神経疾患理学療法)の正答は 4 です。維持期(生活期)は発症から6か月以上経過した時期で、麻痺そのものの回復はプラトーに達しています。

問題
実用性歩行が可能な脳卒中患者に対する維持期理学療法で最も期待できる効果はどれか。
  1. 1. 麻痺の重症度の改善
  2. 2. 下肢痙縮の改善
  3. 3. 感覚障害の改善
  4. 4. 持久力の向上
  5. 5. 認知症の改善

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 持久力の向上

維持期(生活期)は発症から6か月以上経過した時期で、麻痺そのものの回復はプラトーに達しています。この時期の理学療法の目的は機能回復ではなく、獲得した能力の維持と廃用症候群の予防です。すでに実用歩行が可能な患者では、歩行を有酸素運動として活用することで全身持久力の向上が最も期待できます。


【各選択肢の解説】

1. 麻痺の重症度の改善
❌ 誤り。Brunnstrom stageで表される麻痺の回復は発症後3〜6か月でほぼ頭打ちとなり、維持期に段階が上がることは通常期待できません。
2. 下肢痙縮の改善
❌ 誤り。ストレッチや温熱で一時的に緊張が下がることはありますが、痙縮そのものを持続的に改善させることは運動療法では困難です(薬物・ボツリヌス療法・装具が主体)。
3. 感覚障害の改善
❌ 誤り。感覚障害も麻痺と同様に維持期での改善は乏しく、むしろ残存感覚を使った代償と安全管理(熱傷・褥瘡予防)が課題になります。
4. 持久力の向上
✅ 正しい。維持期でも運動負荷に対する全身持久力・筋力・体力は訓練により向上します。心血管系イベントの二次予防にもつながり、最も期待できる効果です。
5. 認知症の改善
❌ 誤り。運動習慣には認知機能低下の予防的意義があるとされますが、既存の認知症を改善させる効果としては最も期待できるものとはいえません。

【試験対策ポイント】

時期別の目標を区別して覚えます。急性期=廃用予防・早期離床回復期=機能回復と ADL 獲得維持期=能力の維持・体力向上・社会参加。維持期の脳卒中患者は身体活動量が健常者の半分以下に落ちることが知られ、歩行速度低下や再発リスク増大につながります。運動強度はBorg指数11〜13(楽である〜ややきつい)を目安に、通所リハや訪問リハで継続することがポイントです。

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