PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午前 第73問

運動学第46回午前

第46回 理学療法士国家試験 午前 第73問(運動学)の正答は 4 です。安静時の呼気は肺と胸郭の弾性による受動的な過程ですが、努力呼気では腹筋群が働きます。

問題
呼気時に働く筋はどれか。
  1. 1. 横隔膜
  2. 2. 大胸筋
  3. 3. 後斜角筋
  4. 4. 外腹斜筋
  5. 5. 胸鎖乳突筋

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 外腹斜筋

安静時の呼気は肺と胸郭の弾性による受動的な過程ですが、努力呼気では腹筋群が働きます。外腹斜筋は腹圧を高めて横隔膜を押し上げ、同時に下位肋骨を引き下げることで呼気を助ける代表的な呼気筋です。


【各選択肢の解説】

1. 横隔膜
❌ 誤り。横隔膜は主要な吸気筋です。収縮して下降することで胸腔容積を増やし、安静吸気の約70%を担います。
2. 大胸筋
❌ 誤り。上肢を固定した状態では肋骨を引き上げる補助吸気筋として働きます。COPD患者が机に手をついて呼吸する姿勢は、この作用を利用したものです。
3. 後斜角筋
❌ 誤り。斜角筋群(前・中・後)は第1〜2肋骨を引き上げる吸気筋(安静吸気にも関与する補助吸気筋)です。
4. 外腹斜筋
✅ 正しい。内腹斜筋・腹直筋・腹横筋とともに努力呼気筋として働き、咳嗽やハフィングによる排痰の主力となります。
5. 胸鎖乳突筋
❌ 誤り。胸骨と鎖骨を引き上げる補助吸気筋です。呼吸困難時に肥大・過緊張しやすく、頸部の努力呼吸のサインとして観察されます。

【試験対策ポイント】

呼吸筋は「吸気か呼気か」「安静時か努力時か」の2軸で整理します。

区分
安静吸気横隔膜・外肋間筋(+斜角筋)
努力吸気(補助吸気筋)胸鎖乳突筋・斜角筋・大胸筋・小胸筋・僧帽筋・脊柱起立筋
安静呼気なし(肺・胸郭の弾性による受動的過程)
努力呼気腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋・内肋間筋

「呼気筋=腹筋群+内肋間筋」とまとめて覚えるのが最短です。外肋間筋(吸気)と内肋間筋(呼気)の区別も頻出。

臨床的には、脊髄損傷(頸髄〜上位胸髄)で腹筋群が麻痺すると咳嗽力(咳最大流量)が落ちて排痰困難になるため、徒手的呼気介助(クアッドコアフ)や腹帯が用いられます。COPDでは口すぼめ呼吸で呼気時の気道虚脱を防ぐことも、この呼気の生理から理解しておきましょう。

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