PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午前 第75問

病理学概論第46回午前

第46回 理学療法士国家試験 午前 第75問(病理学概論)の正答は 5 です。腹部大動脈瘤の最も多い成因はアテローム(粥状)硬化です。

問題
アテローム(粥状)硬化と関係するのはどれか。
  1. 1. Buerger病
  2. 2. 肥大型心筋症
  3. 3. 悪性腎硬化症
  4. 4. 僧帽弁狭窄症
  5. 5. 腹部大動脈瘤

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 腹部大動脈瘤

腹部大動脈瘤の最も多い成因はアテローム(粥状)硬化です。動脈壁の内膜に粥腫が形成され、中膜の弾性線維が破壊されて壁が脆弱化し、血圧に負けて紡錘状に拡張します。腎動脈分岐部より遠位に好発します。


【各選択肢の解説】

1. Buerger病
❌ 誤り。Buerger病(閉塞性血栓血管炎)は喫煙と強く関連する中小動脈・静脈の炎症性閉塞性疾患で、若年男性の四肢末梢に生じます。粥状硬化を基盤とする閉塞性動脈硬化症(ASO)とは区別されます。
2. 肥大型心筋症
❌ 誤り。サルコメア関連遺伝子の変異による遺伝性心筋疾患で、心筋の異常肥大と線維化が本態です。冠動脈の粥状硬化とは機序が異なります。
3. 悪性腎硬化症
❌ 誤り。悪性高血圧に伴い、腎の細動脈にフィブリノイド壊死と増殖性内膜炎(玉ねぎ皮様変化)が生じる病態です。細動脈硬化であって粥状硬化ではありません。
4. 僧帽弁狭窄症
❌ 誤り。原因の大半はリウマチ熱の後遺症で、弁尖の癒合・肥厚・腱索の短縮によって狭窄します。粥状硬化と結びつくのは大動脈弁狭窄症(加齢性・動脈硬化性)のほうです。
5. 腹部大動脈瘤
✅ 正しい。粥状硬化による中膜の脆弱化が主因で、高齢・男性・喫煙・高血圧が危険因子です。破裂すると致死的で、拡大速度や径(一般に5〜5.5cm以上)で手術適応を判断します。

【試験対策ポイント】

動脈硬化は3つの型に分けて整理します。①粥状硬化(アテローム硬化)=大〜中型の弾性型動脈(大動脈・冠動脈・脳底動脈・頸動脈)に生じ、内膜に粥腫。②中膜石灰化硬化(Mönckeberg型)=中型筋型動脈の中膜に石灰沈着。③細動脈硬化=高血圧・糖尿病で腎や脳の細動脈に生じる

粥状硬化に起因する代表疾患は、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)・脳梗塞(アテローム血栓性)・閉塞性動脈硬化症(ASO)・腹部大動脈瘤。危険因子は高血圧・脂質異常症・糖尿病・喫煙・肥満・加齢です。

腹部大動脈瘤や解離性大動脈瘤の患者に対する運動療法では、血圧を急上昇させる高強度の等尺性運動や息こらえ(Valsalva)を避け、血圧管理下で有酸素運動を中心に行うことが原則です。術後は創部の状態と血圧を確認しながら離床を進めます。

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