PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午前 第77問

病理学概論第46回午前

第46回 理学療法士国家試験 午前 第77問(病理学概論)の正答は 1 です。提示された標本はHE染色による骨格筋の横断像です。

問題
骨格筋の病理組織標本(別冊No. 4)を別に示す。 矢印で示すのはどれか。
第46回午前第77問 図
  1. 1. 核
  2. 2. 赤血球
  3. 3. リンパ球
  4. 4. 末梢神経
  5. 5. 毛細血管

正答:1番

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解説
■ 正答:1番 — 核

提示された標本はHE染色による骨格筋の横断像です。多角形の筋線維が敷石状に密に並び、矢印は筋線維の辺縁(筋鞘のすぐ内側)にある濃く染まった小さな楕円形の構造を指しています。これは骨格筋線維の核(筋核)です。骨格筋線維は多核の細胞で、核が線維の辺縁に位置するのが最大の特徴です。


【各選択肢の解説】

1.
✅ 正しい。矢印の構造は筋線維の輪郭に沿って内側に張り付くように位置し、ヘマトキシリンで濃染する楕円形をしています。骨格筋の辺縁核そのものです。
2. 赤血球
❌ 誤り。赤血球はヒトでは無核で、エオジンにより均一な赤〜ピンク色の円盤状に染まり、血管の内腔にのみ存在します。矢印の構造は濃染する核であり、位置も筋線維の内部辺縁です。
3. リンパ球
❌ 誤り。リンパ球は筋線維の間(筋内膜や筋周膜の間質)に存在し、炎症性筋疾患では血管周囲や筋線維間に集簇します。本標本では間質に炎症細胞浸潤はみられません。
4. 末梢神経
❌ 誤り。末梢神経は筋周膜・筋外膜の結合組織内を神経束として走行し、軸索と神経内膜からなる束状構造として観察されます。矢印が指す点状の構造とは形態が異なります。
5. 毛細血管
❌ 誤り。毛細血管は筋線維と筋線維のにあり、内皮細胞に囲まれた内腔をもつ管状構造として見えます(本標本では中央右寄りに白く抜けた管腔が確認できます)。矢印は管腔ではなく核を指しています。

【試験対策ポイント】

筋組織の鑑別は核の位置で決まります。

  • 骨格筋:多核・核は辺縁・横紋あり・随意筋。横断像では多角形の線維が敷石状に密集
  • 心筋:単核(時に2核)・核は中心・横紋あり・介在板あり・分枝する
  • 平滑筋:単核・核は中心・紡錘形・横紋なし・不随意筋
病理所見としては、核が中央に移動する(中心核)=筋原性疾患(筋ジストロフィー、ミオパチー)、群集萎縮(group atrophy)や小角化線維=神経原性疾患(ALS、脊髄性筋萎縮症)が対応します。筋ジストロフィーではさらに線維の大小不同・壊死再生像・脂肪と線維組織への置換が加わります。

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