PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午前 第88問

内科学・臨床医学第46回午前

第46回 理学療法士国家試験 午前 第88問(内科学・臨床医学)の正答は 5 です。この問題は誤っている組合せを選ぶ設問です。

問題
中枢神経系の感染症と病原体との組合せで誤っているのはどれか。
  1. 1. エイズ脳症 ―― ウイルス
  2. 2. Creutzfeldt-Jakob(クロイツフェルト・ヤコブ)病 ―― プリオン
  3. 3. 進行麻痺 ―― スピロヘータ
  4. 4. 日本脳炎 ―― ウイルス
  5. 5. 急性灰白髄炎(ポリオ) ―― 細菌

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 急性灰白髄炎(ポリオ) ―― 細菌

この問題は誤っている組合せを選ぶ設問です。急性灰白髄炎(ポリオ)の病原体はエンテロウイルス属のポリオウイルスであり、細菌ではありません。ウイルスが脊髄前角細胞を選択的に侵し、非対称性の弛緩性麻痺を残します。


【各選択肢の解説】

1. エイズ脳症 ―― ウイルス
✅ 正しい。HIV(ヒト免疫不全ウイルス)が直接中枢神経に感染して起こる認知・運動障害で、HIV関連神経認知障害の重症型です。
2. Creutzfeldt-Jakob(クロイツフェルト・ヤコブ)病 ―― プリオン
✅ 正しい。異常プリオン蛋白の蓄積による疾患で、急速進行性の認知症・ミオクローヌスから無動性無言に至ります。脳波の周期性同期性放電が特徴です。
3. 進行麻痺 ―― スピロヘータ
✅ 正しい。梅毒トレポネーマ(スピロヘータの一種)による晩期神経梅毒で、認知症や人格変化を来します。脊髄癆も同じく晩期神経梅毒です。
4. 日本脳炎 ―― ウイルス
✅ 正しい。日本脳炎ウイルスがコガタアカイエカによって媒介され、意識障害・けいれん・錐体外路症状を来します。ワクチンで予防します。
5. 急性灰白髄炎(ポリオ) ―― 細菌
❌ 誤り。病原体はポリオウイルスです。脊髄前角細胞が障害されるため、感覚障害を伴わない下位運動ニューロン型(弛緩性)の麻痺が非対称性に残ります。

【試験対策ポイント】

中枢神経系感染症は病原体の種類で整理します。

  • ウイルス:ポリオ、日本脳炎、単純ヘルペス脳炎(側頭葉内側に病変・アシクロビルで治療)、HIV脳症、亜急性硬化性全脳炎(麻疹)、進行性多巣性白質脳症(JCウイルス)
  • 細菌:細菌性髄膜炎(肺炎球菌・髄膜炎菌)、脳膿瘍、破傷風
  • スピロヘータ:神経梅毒(進行麻痺・脊髄癆)、神経Lyme病
  • プリオン:Creutzfeldt-Jakob病
  • 真菌:クリプトコッカス髄膜炎(免疫不全者)
  • 結核菌:結核性髄膜炎
理学療法との関連ではポリオ後症候群が重要です。罹患後数十年を経て新たな筋力低下・易疲労・疼痛が出現するもので、過用(オーバーユース)を避けた低負荷で分割した運動と、装具・補助具によるエネルギー消費の節約が原則となります。

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