PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午後 第86問

内科学・臨床医学第48回午後

第48回 理学療法士国家試験 午後 第86問(内科学・臨床医学)の正答は 1 です。熱傷Ⅰ度は表皮のみの損傷で、日焼けのように皮膚が発赤(紅斑)し、ヒリヒリした疼痛を伴います。

問題
熱傷について正しいのはどれか。
  1. 1. Ⅰ度では皮膚の発赤をきたす。
  2. 2. 浅達性Ⅱ度では肥厚性瘢痕を残す。
  3. 3. Ⅲ度では強い痛みがある。
  4. 4. 小児の熱傷面積の概算には9の法則が用いられる。
  5. 5. 熱傷指数はⅠ度とⅡ度の面積から算出する。

正答:1番

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解説
■ 正答:1番 — Ⅰ度では皮膚の発赤をきたす。

熱傷Ⅰ度は表皮のみの損傷で、日焼けのように皮膚が発赤(紅斑)し、ヒリヒリした疼痛を伴います。水疱は形成されず、数日で瘢痕を残さずに治癒します。


【各選択肢の解説】

1. Ⅰ度では皮膚の発赤をきたす。
✅ 正しい。表皮内にとどまる損傷で紅斑と疼痛のみ、色素沈着も瘢痕も残りません。熱傷面積の算定にも含めません。
2. 浅達性Ⅱ度では肥厚性瘢痕を残す。
❌ 誤り。浅達性Ⅱ度(SDB)は真皮浅層までの損傷で、水疱底が赤く強い疼痛を伴いますが、1〜2週間で瘢痕を残さずに治癒します。肥厚性瘢痕を残すのは深達性Ⅱ度(DDB)以上です。
3. Ⅲ度では強い痛みがある。
❌ 誤り。Ⅲ度は皮膚全層(皮下組織まで)の壊死で、知覚神経終末も破壊されるため無痛となります。創面は白色〜褐色の羊皮紙様・炭化を呈します。
4. 小児の熱傷面積の概算には9の法則が用いられる。
❌ 誤り。9の法則は成人用です。小児は頭部が相対的に大きく下肢が小さいため、5の法則やLund&Browderの法則(年齢別換算表)を用います。
5. 熱傷指数はⅠ度とⅡ度の面積から算出する。
❌ 誤り。熱傷指数(BI)=Ⅲ度熱傷面積(%)+ 1/2 × Ⅱ度熱傷面積(%)で、Ⅰ度は算入しません。BIが10〜15以上で重症と判定されます。

【試験対策ポイント】

熱傷の深度分類は「深さ・所見・疼痛・治癒」の4点セットで覚えます。

深度障害の深さ所見疼痛治癒
Ⅰ度(EB)表皮発赤・紅斑あり(軽度)数日、瘢痕なし
浅達性Ⅱ度(SDB)真皮浅層水疱(底が赤い)強い1〜2週、瘢痕なし
深達性Ⅱ度(DDB)真皮深層水疱(底が白い)鈍い3〜4週、肥厚性瘢痕
Ⅲ度(DB)皮膚全層白色〜褐色・炭化なし(無痛)植皮が必要、瘢痕拘縮

「Ⅲ度は痛くない」「Ⅰ度は面積に入れない」が最頻出の引っかけです。理学療法では、Ⅱ度深達性以上で生じる瘢痕拘縮の予防が中心課題となり、良肢位保持(頸部は伸展位、腋窩は外転位、手部は安全肢位)とスプリント、圧迫療法、早期からの関節可動域運動を行います。

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