第46回 理学療法士国家試験 午前 第90問
整形外科学第46回午前
第46回 理学療法士国家試験 午前 第90問(整形外科学)の正答は 2・4 です。肘部管症候群は、上腕骨内側上顆後方の肘部管における尺骨神経の絞扼です。
問題
肘部管症候群の症状で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1. 猿手変形
- 2. 鉤爪手変形 ✓
- 3. ボタン穴変形
- 4. Tinel徴候 ✓
- 5. 前腕近位尺側の感覚障害
正答:2・4番
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解説
■ 正答:2・4番 — 鉤爪手変形/Tinel徴候
肘部管症候群は、上腕骨内側上顆後方の肘部管における尺骨神経の絞扼です。手内在筋(骨間筋・虫様筋)の麻痺により、環指・小指のMP関節過伸展とPIP・DIP関節屈曲を呈する鉤爪手(鷲手)変形が生じ、絞扼部の叩打で末梢に放散痛が走るTinel徴候が陽性となります。
【各選択肢の解説】
1. 猿手変形
❌ 誤り。猿手は正中神経麻痺の所見です。母指球筋の萎縮により母指が手掌面と同一平面に落ち込み、対立運動ができなくなります。
❌ 誤り。猿手は正中神経麻痺の所見です。母指球筋の萎縮により母指が手掌面と同一平面に落ち込み、対立運動ができなくなります。
2. 鉤爪手変形
✅ 正しい。尺骨神経麻痺の典型的な変形です。虫様筋・骨間筋の麻痺により、特に環指・小指のMP関節が過伸展、IP関節が屈曲位となります。
✅ 正しい。尺骨神経麻痺の典型的な変形です。虫様筋・骨間筋の麻痺により、特に環指・小指のMP関節が過伸展、IP関節が屈曲位となります。
3. ボタン穴変形
❌ 誤り。PIP関節屈曲・DIP関節過伸展を呈する変形で、関節リウマチや伸筋腱中央索の損傷でみられます。末梢神経麻痺の所見ではありません。
❌ 誤り。PIP関節屈曲・DIP関節過伸展を呈する変形で、関節リウマチや伸筋腱中央索の損傷でみられます。末梢神経麻痺の所見ではありません。
4. Tinel徴候
✅ 正しい。肘部管(内側上顆後方の尺骨神経溝)を叩くと、小指や環指尺側にしびれ・放散痛が走ります。絞扼性神経障害の診断に共通して用いられる所見です。
✅ 正しい。肘部管(内側上顆後方の尺骨神経溝)を叩くと、小指や環指尺側にしびれ・放散痛が走ります。絞扼性神経障害の診断に共通して用いられる所見です。
5. 前腕近位尺側の感覚障害
❌ 誤り。前腕近位尺側は内側前腕皮神経(内側神経束由来、C8〜T1)の支配であり、尺骨神経の支配領域ではありません。肘部管症候群の感覚障害は手部尺側(小指全体と環指の尺側半分)と手背尺側に限局します。
❌ 誤り。前腕近位尺側は内側前腕皮神経(内側神経束由来、C8〜T1)の支配であり、尺骨神経の支配領域ではありません。肘部管症候群の感覚障害は手部尺側(小指全体と環指の尺側半分)と手背尺側に限局します。
【試験対策ポイント】
尺骨神経麻痺の所見はまとめて覚えます。
- 鷲手(鉤爪手)変形:環指・小指のMP過伸展+IP屈曲
- Froment徴候:母指内転筋の麻痺により、紙をつまむと母指IP関節が屈曲して代償する
- 指の内転・外転不能(骨間筋麻痺)、指の交叉不能
- 感覚障害:小指全体+環指尺側
| 部位 | 障害される神経 | 特徴 |
|---|---|---|
| 肘部管 | 尺骨神経(肘) | 手背尺側の感覚も障害。原因は変形性肘関節症・外反肘(遅発性尺骨神経麻痺) |
| Guyon管(手関節) | 尺骨神経(手) | 手背枝が分岐した後のため手背尺側の感覚は保たれる |
| 手根管 | 正中神経 | 母指〜環指橈側のしびれ、猿手、Phalenテスト陽性 |
「肘部管=手背尺側も障害/Guyon管=手背は保たれる」が鑑別の決め手です。
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