PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午前 第92問

内科学・臨床医学第46回午前

第46回 理学療法士国家試験 午前 第92問(内科学・臨床医学)の正答は 3 です。ヘリコバクター・ピロリは胃粘膜に持続感染し、慢性胃炎から萎縮性胃炎 → 腸上皮化生 → 胃癌という経路をたどることが知られています。

問題
ヘリコバクター・ピロリ菌の感染が原因となるのはどれか。
  1. 1. 胆嚢炎
  2. 2. 急性膵炎
  3. 3. 萎縮性胃炎
  4. 4. 逆流性食道炎
  5. 5. 潰瘍性大腸炎

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 萎縮性胃炎

ヘリコバクター・ピロリは胃粘膜に持続感染し、慢性胃炎から萎縮性胃炎 → 腸上皮化生 → 胃癌という経路をたどることが知られています。胃・十二指腸潰瘍や胃MALTリンパ腫の原因でもあり、除菌治療が確立しています。


【各選択肢の解説】

1. 胆嚢炎
❌ 誤り。多くは胆石による胆汁うっ滞を背景に、大腸菌などの腸内細菌が二次感染して起こります。右季肋部痛とMurphy徴候が特徴です。
2. 急性膵炎
❌ 誤り。2大原因はアルコールと胆石です。上腹部から背部に放散する激痛と、血中アミラーゼ・リパーゼの上昇を認めます。
3. 萎縮性胃炎
✅ 正しい。ピロリ菌の慢性感染により胃底腺が脱落して粘膜が萎縮します。放置すると腸上皮化生を経て胃癌のリスクが高まるため、除菌が推奨されます。
4. 逆流性食道炎
❌ 誤り。下部食道括約筋の弛緩や食道裂孔ヘルニアによる胃酸の逆流が原因です。むしろピロリ菌の除菌後に胃酸分泌が回復して逆流症状が出現することがあります。
5. 潰瘍性大腸炎
❌ 誤り。原因不明の炎症性腸疾患で、自己免疫機序の関与が想定されています。直腸から連続性に広がるびまん性の粘膜炎症と血便が特徴です。

【試験対策ポイント】

病原体と疾患の対応は繰り返し出題されます。

  • ヘリコバクター・ピロリ:慢性胃炎・萎縮性胃炎・胃十二指腸潰瘍・胃癌・胃MALTリンパ腫
  • ヒトパピローマウイルス(HPV):子宮頸癌
  • B型・C型肝炎ウイルス:慢性肝炎 → 肝硬変 → 肝細胞癌
  • EBウイルス:Burkittリンパ腫・上咽頭癌・伝染性単核球症
  • HTLV-1:成人T細胞白血病、HTLV-1関連脊髄症(HAM)=痙性対麻痺で理学療法の対象となる
リハビリテーションとの関連では、逆流性食道炎の患者に食後すぐの臥位や前屈位を避け、上体を30度程度挙上する姿勢指導が問われます。誤嚥性肺炎のリスク管理としても重要な知識です。

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