PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午後 第2問

理学療法評価学第46回午後

第46回 理学療法士国家試験 午後 第2問(理学療法評価学)の正答は 2・3 です。広背筋は上腕骨小結節稜に停止する一方、起始は下位胸椎〜仙椎・腸骨稜・下位肋骨という体幹側にあります。

問題
Danielsらの徒手筋力テストで、広背筋の筋力を三角筋後部線維および大円筋の筋力から分離判別するテストはどれか。2つ選べ。
第46回午後第2問 図
  1. 1. 背臥位
  2. 2. 座位
  3. 3. 背臥位
  4. 4. 側臥位
  5. 5. 側臥位

正答:2・3番

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解説
■ 正答:2・3番 — 座位/背臥位

広背筋は上腕骨小結節稜に停止する一方、起始は下位胸椎〜仙椎・腸骨稜・下位肋骨という体幹側にあります。そのため「上肢を固定して骨盤・体幹を引き上げる」「肩甲帯を尾側へ引き下げる」働きは広背筋にしかできず、上腕骨と肩甲骨の間しかまたがない三角筋後部線維・大円筋では代償できません。図2(座位で両手を支持面に押しつけて骨盤・体幹を引き上げる)と図3(背臥位で上肢・肩甲帯を尾側へ引き下げる)がこれに当たります。


【各選択肢の解説】

1. 背臥位
❌ 誤り。上肢を天井に向けて挙上し、被験者は上方へ突き上げ、検査者は上腕を長軸方向に押し下げている。これは肩甲骨を前方突出させる前鋸筋の検査で、広背筋の分離判別にはならない。
2. 座位
✅ 正しい。両手を支持面につき下方へ押して骨盤・体幹を引き上げる動作。広背筋は腸骨稜・腰背腱膜から起始するためこの骨盤挙上が可能で、三角筋後部線維・大円筋にはできない。
3. 背臥位
✅ 正しい。上肢と肩甲帯を尾側(足側)へ引き下げる動作に対し、検査者が頭側へ戻す抵抗を加えている。肩甲帯の下制を伴う上腕の内転・伸展は広背筋に特異的。
4. 側臥位
❌ 誤り。上肢を頭側・上方へ挙げる方向に力を入れさせており、働くのは三角筋や棘上筋などの外転筋群。広背筋は逆に上肢を引き下げる筋なので分離できない。
5. 側臥位
❌ 誤り。体側に下ろした上肢を上方(外転方向)へ挙げさせる検査で、やはり外転筋を見ている。広背筋の内転・伸展・肩甲帯下制の作用を評価していない。

【試験対策ポイント】

肩関節の伸展・内転・内旋という作用は3筋に共通するため、付着部の違いで分離する。

体幹側の付着共通する作用広背筋だけの作用
広背筋下位胸椎〜仙椎・腸骨稜・下位肋骨肩関節の伸展・内転・内旋骨盤・体幹の引き上げ、肩甲帯の下制
三角筋後部線維肩甲棘肩関節の伸展・水平外転なし
大円筋肩甲骨下角肩関節の伸展・内転・内旋なし

神経支配は広背筋=胸背神経(C6〜C8)、三角筋=腋窩神経(C5・C6)、大円筋=肩甲下神経(C5・C6)。松葉杖歩行やプッシュアップで体を持ち上げる、車椅子でキャスター上げをする——これらは広背筋の仕事だと覚えると選択肢を切りやすい。

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