PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午後 第3問

理学療法評価学第46回午後

第46回 理学療法士国家試験 午後 第3問(理学療法評価学)の正答は 5 です。掌側骨間筋は示指・環指・小指を中指に向かって引き寄せる手指の内転筋です。

問題
Danielsらの徒手筋力テストで筋力4と5の測定法として正しいのはどれか。ただし、図中の矢印は検査者が抵抗を加える方向を示している。
第46回午後第3問 図
  1. 1. 長母指外転筋
  2. 2. 短母指伸筋
  3. 3. 短母指屈筋
  4. 4. 骨間筋および虫様筋
  5. 5. 掌側骨間筋

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 掌側骨間筋

掌側骨間筋は示指・環指・小指を中指に向かって引き寄せる手指の内転筋です。図5は4指をそろえた内転位から、検査者が示指と環指を左右に引き離す(外転させる)方向へ抵抗を加えており、抵抗に抗して内転位を保持できるかを見る段階4・5の判定法として正しい方法です。


【各選択肢の解説】

1. 長母指外転筋
❌ 誤り。図は母指が手掌面から垂直に離れる「掌側外転」に対して抵抗しており、これは短母指外転筋(正中神経支配)の検査になる。長母指外転筋は手掌面に沿って母指を橈側へ開く「橈側外転」を行う筋で、抵抗は第1中手骨に加える。
2. 短母指伸筋
❌ 誤り。図は母指の末節部をつまんで抵抗しており、これでは長母指伸筋(IP関節の伸展)の検査になってしまう。短母指伸筋はMP関節の伸展筋なので、抵抗は基節骨の背側面に屈曲方向へ加える。
3. 短母指屈筋
❌ 誤り。短母指屈筋はMP関節の屈曲筋で、IP関節を伸展させたままMP関節だけを屈曲させ、基節骨の掌側面に伸展方向の抵抗を加えるのが正しい方法。図のように母指全体を動かす方法では長母指屈筋や母指内転筋の作用と分離できない。
4. 骨間筋および虫様筋
❌ 誤り。この検査はMP関節屈曲・IP関節伸展(いわゆる虫様筋握り)の肢位を保持させ、MP関節を伸展させる方向とIP関節を屈曲させる方向の2方向に抵抗を加えて判定する。図のように一方向へ押すだけでは長指屈筋・長指伸筋の代償と区別できない。
5. 掌側骨間筋
✅ 正しい。手指を中指へ寄せた内転位で、検査者が指を左右に開く(外転させる)方向へ抵抗を加えている。

【試験対策ポイント】

骨間筋は語呂で確実に取る。背側骨間筋=外転(Dorsal ABduct=DAB)/掌側骨間筋=内転(Palmar ADduct=PAD)。基準は中指で、中指自身は背側骨間筋によって橈尺両方向へ動く。

母指の筋は「短い筋はMP関節まで、長い筋はIP関節まで」で整理する。

主な作用抵抗を加える部位
短母指外転筋掌側外転(手掌面に垂直)基節骨
長母指外転筋橈側外転(手掌面に沿う)第1中手骨
短母指屈筋MP関節屈曲基節骨の掌側
長母指屈筋IP関節屈曲末節骨の掌側
短母指伸筋MP関節伸展基節骨の背側
長母指伸筋IP関節伸展末節骨の背側

神経支配は、母指球筋のうち短母指外転筋・母指対立筋・短母指屈筋浅頭が正中神経、母指内転筋・短母指屈筋深頭・骨間筋・第3〜4虫様筋が尺骨神経、長母指外転筋・長短母指伸筋が橈骨神経

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