PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午後 第4問

内部障害理学療法第46回午後

第46回 理学療法士国家試験 午後 第4問(内部障害理学療法)の正答は 3 です。図Aは健常者の図Bと比べ、ピークフローが約8L/秒から約3L/秒へ著明に低下し、呼出曲線の下降脚が下に凹んだ形になっています。

問題
呼吸機能テストの結果、図Aのようなフローボリューム曲線を得た。この患者の呼吸理学療法で誤っているのはどれか。ただし、図Bは健常者の結果を示す。
第46回午後第4問 図
  1. 1. 胸郭の可動性を増大する。
  2. 2. 口すぼめ呼吸を指導する。
  3. 3. 呼気時間を短縮する。
  4. 4. 吸気筋を強化する。
  5. 5. 腹筋を強化する。

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 呼気時間を短縮する。

図Aは健常者の図Bと比べ、ピークフローが約8L/秒から約3L/秒へ著明に低下し、呼出曲線の下降脚が下に凹んだ形になっています。これは末梢気道の閉塞を示す閉塞性換気障害(COPDなど)のフローボリューム曲線です。閉塞性障害では呼出に時間がかかるため、呼気時間を短縮させると肺内に空気が残り(air trapping・動的過膨張)、かえって呼吸困難を強めます。


【各選択肢の解説】

1. 胸郭の可動性を増大する。
✅ 正しい。肺の過膨張により胸郭が樽状に硬くなるため、呼吸介助手技やストレッチで胸郭可動性を高めることは適応となる。
2. 口すぼめ呼吸を指導する。
✅ 正しい。呼気時に気道内圧を高めて末梢気道の虚脱を防ぎ、呼出を助ける。閉塞性障害に対する最も基本的な呼吸法。
3. 呼気時間を短縮する。
❌ 誤り。閉塞性障害では呼気をゆっくり長く行わせる(吸気:呼気=1:2〜1:4)のが原則。呼気時間の短縮は空気とらえこみを悪化させる。
4. 吸気筋を強化する。
✅ 正しい。横隔膜が平低化して吸気筋が力学的に不利な状態にあるため、吸気筋トレーニングは呼吸困難感の軽減・運動耐容能の改善に有効。
5. 腹筋を強化する。
✅ 正しい。腹筋は強制呼気と咳嗽に働く。呼出の補助と気道クリアランス(排痰)の改善に役立つ。

【試験対策ポイント】

フローボリューム曲線は形で判断する。

病型曲線の形代表疾患検査値
閉塞性ピークフロー低下・下降脚が下に凹むCOPD・気管支喘息1秒率70%未満
拘束性全体が小さく健常者と相似形肺線維症・間質性肺炎%肺活量80%未満
上気道閉塞呼気・吸気ともプラトー(台形)気管狭窄・腫瘍

COPDの呼吸理学療法の柱は、口すぼめ呼吸・横隔膜(腹式)呼吸、上肢挙上を伴う動作の指導(ADL中の息切れ対策)、下肢中心の運動療法、排痰。運動療法の中止基準はSpO₂90%未満、脈拍110/分以上、収縮期血圧180mmHg以上、著しい呼吸困難(修正Borgスケール5〜6以上)。

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