PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午後 第9問

整形外科疾患理学療法第46回午後

第46回 理学療法士国家試験 午後 第9問(整形外科疾患理学療法)の正答は 4 です。SteinbrockerのステージⅢ(骨・軟骨の破壊と関節変形があるが強直はない)、クラス3(身の回りの動作はできるが職業・家事が制限される)の関節リウマチです。

問題
48歳の女性。関節リウマチ。Steinbrockerのステージ Ⅲ、クラス3。ADLの維持・向上のための指導で誤っているのはどれか。
  1. 1. 立ち上がり訓練は高めの椅子で行う。
  2. 2. 膝の屈曲拘縮予防に夜間装具を使用する。
  3. 3. 炎症の強い時期の可動域訓練は自動運動を中心に行う。
  4. 4. ベッド上での起き上がりはひもを引っ張る方法で行う。
  5. 5. 食事動作や更衣動作自立のため、肩・肘の可動域訓練を行う。

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — ベッド上での起き上がりはひもを引っ張る方法で行う。

SteinbrockerのステージⅢ(骨・軟骨の破壊と関節変形があるが強直はない)、クラス3(身の回りの動作はできるが職業・家事が制限される)の関節リウマチです。ADL指導の原則は関節保護で、小さい関節に大きな力をかけない・力を広い面に分散する・変形を助長する方向の力を避けることが基本になります。ひもを握って引っ張る動作は手指・手関節という小関節に強い把持力と牽引力を要求し、尺側偏位などの変形を助長するため誤りです。


【各選択肢の解説】

1. 立ち上がり訓練は高めの椅子で行う。
✅ 正しい。座面が高いほど必要な膝屈曲角度と筋力が小さくて済み、下肢関節への負担が減る。
2. 膝の屈曲拘縮予防に夜間装具を使用する。
✅ 正しい。関節リウマチの膝は疼痛のため屈曲位をとりやすく拘縮しやすい。夜間の伸展位保持装具は有効。
3. 炎症の強い時期の可動域訓練は自動運動を中心に行う。
✅ 正しい。活動期は他動運動・抵抗運動を避け、疼痛のない範囲での自動運動や等尺性運動にとどめる。
4. ベッド上での起き上がりはひもを引っ張る方法で行う。
❌ 誤り。手指・手関節の小関節に負荷が集中し変形を助長する。電動ベッドの背上げ機能を使う、前腕全体でベッド柵を押すなど、大きな関節や広い面で力を受ける方法に変更する。
5. 食事動作や更衣動作自立のため、肩・肘の可動域訓練を行う。
✅ 正しい。上肢のリーチ範囲を保つことがADLの自立に直結する。

【試験対策ポイント】

関節保護の原則——①痛みを生じる活動は避ける ②変形を助長する方向に関節を使わない ③最も強く大きい関節を使う ④力を複数の関節に分散する ⑤関節を最も安定した肢位で使う ⑥同一姿勢を長く続けない ⑦動作は途中で中止できるようにする ⑧活動と休息のバランスをとる。

Steinbrockerの分類は毎年のように問われる。

区分内容
ステージⅠエックス線変化なし(骨粗鬆症のみ)
ステージⅡ軽度の関節裂隙狭小化、変形なし
ステージⅢ骨・軟骨の破壊と関節変形あり、強直なし
ステージⅣ線維性または骨性強直
クラス1制限なく日常活動が可能
クラス2身の回り・職業は可能、趣味活動が制限
クラス3身の回りは可能、職業・趣味が制限
クラス4身の回りの動作も制限、寝たきりか車椅子
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