第46回 理学療法士国家試験 午後 第10問
神経内科学第46回午後
第46回 理学療法士国家試験 午後 第10問(神経内科学)の正答は 3 です。頭部CTでは右大脳半球の前頭葉から側頭葉、基底核・放線冠にかけて広範な低吸収域があり、右中大脳動脈領域の脳梗塞と分かります(画像は向かって左が患者の右)。
問題
60歳の男性。右利き。意識障害のため搬入された。脳梗塞と診断され、保存的治療が開始された。片麻痺を呈している。入院後2週の頭部CT(別冊No.2)を別に示す。この患者に認められる可能性が高いのはどれか。
- 1. 失算
- 2. 失書
- 3. 注意障害 ✓
- 4. 物体失認
- 5. 左同名半盲
正答:3番
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解説
■ 正答:3番 — 注意障害
頭部CTでは右大脳半球の前頭葉から側頭葉、基底核・放線冠にかけて広範な低吸収域があり、右中大脳動脈領域の脳梗塞と分かります(画像は向かって左が患者の右)。右利きの人の右半球は劣位(非優位)半球で、空間性注意・全般性注意を広く担うため、半側空間無視を含む注意障害が最も生じやすくなります。
【各選択肢の解説】
1. 失算
❌ 誤り。失算はGerstmann症候群の一徴候で、優位半球(右利きでは左)の角回・頭頂葉の障害で生じる。
❌ 誤り。失算はGerstmann症候群の一徴候で、優位半球(右利きでは左)の角回・頭頂葉の障害で生じる。
2. 失書
❌ 誤り。失書も優位半球(左)の障害による症状。本例の病巣は右半球であり、書字は保たれる。
❌ 誤り。失書も優位半球(左)の障害による症状。本例の病巣は右半球であり、書字は保たれる。
3. 注意障害
✅ 正しい。右半球は左右両側の空間に注意を配分する役割をもつため、右半球損傷では全般性注意障害や左半側空間無視が高率に出現する。
✅ 正しい。右半球は左右両側の空間に注意を配分する役割をもつため、右半球損傷では全般性注意障害や左半側空間無視が高率に出現する。
4. 物体失認
❌ 誤り。物体失認(統覚型・連合型の視覚失認)は両側または左側の後頭葉〜側頭葉腹側の障害で生じる。本例の後頭葉は保たれている。
❌ 誤り。物体失認(統覚型・連合型の視覚失認)は両側または左側の後頭葉〜側頭葉腹側の障害で生じる。本例の後頭葉は保たれている。
5. 左同名半盲
❌ 誤り。左同名半盲は右後頭葉(後大脳動脈領域)や視放線後部の障害で起こる。CTの低吸収域は前頭葉・側頭葉と基底核が中心で、後頭葉には及んでいない。
❌ 誤り。左同名半盲は右後頭葉(後大脳動脈領域)や視放線後部の障害で起こる。CTの低吸収域は前頭葉・側頭葉と基底核が中心で、後頭葉には及んでいない。
【試験対策ポイント】
損傷側による高次脳機能障害の振り分けは確実に押さえる。
| 損傷側 | 麻痺側 | 特徴的な高次脳機能障害 |
|---|---|---|
| 左(優位)半球 | 右片麻痺 | 失語・観念運動失行・観念失行・失書・失算・左右失認・手指失認 |
| 右(劣位)半球 | 左片麻痺 | 半側空間無視・注意障害・病態失認・着衣失行・構成障害・地誌的障害 |
右半球損傷の患者は病識が乏しく危険を認識しにくいため、左側からの声かけを増やす、車椅子の左ブレーキに目印を付ける、移乗時は左側の環境を整えるなどの安全管理が重要になる。画像問題では最初に左右の表示を確認し、麻痺側と症状の対応をとる習慣をつけたい。
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