PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午後 第24問

整形外科疾患理学療法第46回午後

第46回 理学療法士国家試験 午後 第24問(整形外科疾患理学療法)の正答は 3 です。膝関節の屈曲が0〜90°に制限されている患者では、それ以上の深い屈曲を要する姿勢(蹲踞位・正座・横座り位)は取れません。

問題
両膝関節の屈曲可動域が0〜90°に制限されている患者に指導する床からの立ち上がり方法はどれか。
  1. 1. 背臥位 → 蹲踞位(しゃがんだ姿勢) → 立位
  2. 2. 背臥位 → 蹲踞位(しゃがんだ姿勢) → 高這い位 → 立位
  3. 3. 四つ這い位 → 高這い位 → 立位
  4. 4. 四つ這い位 → 膝立ち位 → 片膝立ち位 → 立位
  5. 5. 横座り位 → 膝立ち位 → 片膝立ち位 → 立位

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 四つ這い位 → 高這い位 → 立位

膝関節の屈曲が0〜90°に制限されている患者では、それ以上の深い屈曲を要する姿勢(蹲踞位・正座・横座り位)は取れません。また膝立ち位・片膝立ち位は膝蓋部で直接体重を受けるため負担が大きく、そこから立ち上がる際にも90°を超える屈曲が必要になります。四つ這い位(膝屈曲約90°)から、膝を伸ばして殿部を持ち上げる高這い位(膝はほぼ伸展位)を経て立ち上がる方法なら、膝屈曲は90°以内で完結します。


【各選択肢の解説】

1. 背臥位 → 蹲踞位(しゃがんだ姿勢) → 立位
❌ 誤り。蹲踞位(しゃがみ込み)には膝屈曲130〜150°が必要で、90°の制限では取れない姿勢。
2. 背臥位 → 蹲踞位(しゃがんだ姿勢) → 高這い位 → 立位
❌ 誤り。高這い位そのものは可能だが、その前に蹲踞位を経るため1と同じ理由で実施できない。
3. 四つ這い位 → 高這い位 → 立位
✅ 正しい。四つ這い位は膝屈曲約90°、高這い位は膝ほぼ伸展位で、いずれも制限範囲内で行える。上肢で支持するため下肢への負担も少ない。
4. 四つ這い位 → 膝立ち位 → 片膝立ち位 → 立位
❌ 誤り。膝立ち位・片膝立ち位は膝蓋部で全体重を支えるうえ、片膝立ちから立ち上がる際には前方の下肢に90°を超える屈曲が必要になる。
5. 横座り位 → 膝立ち位 → 片膝立ち位 → 立位
❌ 誤り。横座り位(片側に両下腿を流した座り方)は膝の深い屈曲と股関節の回旋を要する。続く膝立ち位も4と同じ理由で不可。

【試験対策ポイント】

動作に必要な膝関節屈曲角度は数値で覚える。

動作必要な膝屈曲角度の目安
平地歩行約60°
階段昇り約80〜90°
階段降り約90〜100°
椅子からの立ち座り約90〜100°
しゃがみ込み(蹲踞)約130〜150°
正座約150〜160°

床からの立ち上がりは「四つ這い位→高這い位→立位」が最も膝屈曲を要求しないパターンで、変形性膝関節症や人工膝関節全置換術後の動作指導の定番。人工膝関節全置換術後は、正座・深いしゃがみ込み・膝立ち・和式トイレの使用を避けるよう指導する。

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