PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午後 第26問

臨床心理学第46回午後

第46回 理学療法士国家試験 午後 第26問(臨床心理学)の正答は 4 です。「誤っている組合せ」を選ぶ問題です。

問題
脳卒中患者の症状と障害との組合せで誤っているのはどれか。
  1. 1. 知っている人なのに声を聞かないとわからない。 ―― 相貌失認
  2. 2. 閉眼と挺舌の動作を同時にできない。 ―― 運動維持困難
  3. 3. 移動時、左側の物によくぶつかる。 ―― 左半側空間無視
  4. 4. 指示による敬礼のまねができない。 ―― 観念失行
  5. 5. 上着の左右を間違えて袖を通す。 ―― 着衣失行

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 指示による敬礼のまねができない。 ―― 観念失行

「誤っている組合せ」を選ぶ問題です。敬礼・じゃんけん・歯磨きのまねなど、道具を使わない象徴的行為や身振りの模倣ができないのは観念運動失行です。観念失行は「物品を正しい順序で使えない」障害を指すため、この組合せが誤りになります。


【各選択肢の解説】

1. 知っている人なのに声を聞かないとわからない。 ―― 相貌失認
✅ 正しい。相貌失認は顔を見ても誰か分からない障害で、声・服装・歩き方などの顔以外の手がかりがあれば同定できます。右後頭側頭葉(紡錘状回)の病変で生じます。
2. 閉眼と挺舌の動作を同時にできない。 ―― 運動維持困難
✅ 正しい。運動維持困難(motor impersistence)は指示された姿勢や動作を持続できない状態で、閉眼+挺舌の同時保持は代表的な検査法です。右半球病変で多くみられます。
3. 移動時、左側の物によくぶつかる。 ―― 左半側空間無視
✅ 正しい。右頭頂葉(下頭頂小葉)の病変で左空間を見落とし、左側の障害物への衝突、食事の左側の食べ残し、線分二等分試験での右寄り偏位が生じます。
4. 指示による敬礼のまねができない。 ―― 観念失行
❌ 誤り。象徴的行為やパントマイムの模倣ができないのは観念運動失行です。観念失行は「歯ブラシに歯磨き粉をつけて磨く」のような物品を用いた系列動作の障害です。
5. 上着の左右を間違えて袖を通す。 ―― 着衣失行
✅ 正しい。着衣失行は衣服と身体の空間的関係が把握できない障害で、前後・裏表・左右を間違えます。右頭頂葉病変で生じます。

【試験対策ポイント】

失行の3型の区別は繰り返し問われます。

種類障害の中身典型的な検査
観念運動失行身振り・パントマイムの模倣ができない敬礼・じゃんけん・さようならのまね
観念失行物品を用いた系列動作ができない歯磨き・お茶を入れる一連の動作
着衣失行衣服と身体の位置関係が分からない上着を着てもらう

「日常場面では自然にできるのに、指示されるとできない」のが観念運動失行の最大の特徴です。

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