PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午後 第87問

神経内科学第46回午後

第46回 理学療法士国家試験 午後 第87問(神経内科学)の正答は 2・4 です。Wallenberg症候群(延髄外側症候群)は、椎骨動脈から後下小脳動脈にかけての枝が閉塞して延髄外側が梗塞に陥る病態です。

問題
Wallenberg 症候群を起こす病態で正しいのはどれか。 2つ選べ。
  1. 1. 橋出血
  2. 2. ラクナ梗塞
  3. 3. 脳動静脈奇形
  4. 4. 脳底動脈解離
  5. 5. 内頸動脈閉塞症

正答:2・4番

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解説
■ 正答:2・4番 — ラクナ梗塞/脳底動脈解離

Wallenberg症候群(延髄外側症候群)は、椎骨動脈から後下小脳動脈にかけての枝が閉塞して延髄外側が梗塞に陥る病態です。したがって椎骨脳底動脈系の解離や、この領域の細い穿通枝が閉塞するラクナ梗塞が原因となります。


【各選択肢の解説】

1. 橋出血
❌ 誤り。橋出血は意識障害・四肢麻痺・両側縮瞳(pinpoint pupil)・除脳硬直が特徴で、延髄外側症候群とは病巣も症候も異なります。
2. ラクナ梗塞
✅ 正しい。延髄外側は椎骨動脈・後下小脳動脈の細い穿通枝で灌流されており、この穿通枝レベルの小梗塞でもWallenberg症候群を呈します。
3. 脳動静脈奇形
❌ 誤り。大脳半球の皮質・皮質下に好発し、けいれん発作や脳内出血・くも膜下出血で発症します。延髄外側に限局した症候群の原因としては典型的ではありません。
4. 脳底動脈解離
✅ 正しい。椎骨脳底動脈系の解離は延髄外側を養う枝の起始部を閉塞させ、Wallenberg症候群の代表的な原因となります。若年〜中年の頸部回旋・外傷後にも起こります。
5. 内頸動脈閉塞症
❌ 誤り。内頸動脈は前方循環(大脳半球)を灌流するため、片麻痺・失語・半側空間無視などを生じます。延髄は後方循環の支配です。

【試験対策ポイント】

Wallenberg症候群の症候は「交叉性感覚障害+球麻痺+失調+Horner」でまとめます。①同側顔面と対側頸部以下の温痛覚障害(交叉性解離性感覚障害)②嚥下障害・嗄声(疑核)③同側Horner症候群(縮瞳・眼瞼下垂・発汗低下)④同側の小脳性運動失調(下小脳脚)⑤めまい・眼振(前庭神経核)。四肢の運動麻痺は生じない(錐体路は延髄腹側を通る)ことが最大の鑑別点で、理学療法では嚥下・体幹失調への対応が中心になります。

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