PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午後 第88問

神経内科学第46回午後

第46回 理学療法士国家試験 午後 第88問(神経内科学)の正答は 2 です。図では第5胸髄の横断面のうち、「左」と示された側の半分全体が斜線で塗られています(右半分は無傷)。

問題
第5胸髄レベルの脊髄横断面の模式図に損傷部位を斜線で示す。右下肢にみられる症状はどれか。
第46回午後第88問 図
  1. 1. 運動麻痺
  2. 2. 痛覚鈍麻
  3. 3. 位置覚異常
  4. 4. 振動覚低下
  5. 5. 腱反射亢進

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 痛覚鈍麻

図では第5胸髄の横断面のうち、「左」と示された側の半分全体が斜線で塗られています(右半分は無傷)。すなわち左半側損傷(Brown-Séquard症候群)です。温痛覚を伝える外側脊髄視床路は脊髄内で交叉して対側を上行するため、損傷と反対側である右下肢では痛覚(温痛覚)が鈍麻します。


【各選択肢の解説】

1. 運動麻痺
❌ 誤り。皮質脊髄路は延髄で錐体交叉を終えているため、脊髄の損傷側と同側を下行します。運動麻痺は損傷と同側の左下肢に生じます。
2. 痛覚鈍麻
✅ 正しい。外側脊髄視床路は入力した髄節の1〜2椎間上で交叉して対側を上行するため、左半側損傷では右側の温痛覚が障害されます。
3. 位置覚異常
❌ 誤り。位置覚を伝える後索(薄束・楔状束)は同側を上行し延髄で交叉するので、障害されるのは同側=左下肢です。
4. 振動覚低下
❌ 誤り。振動覚も後索を通るため同側性で、左下肢に出現します。位置覚とセットで「深部感覚は同側」と覚えます。
5. 腱反射亢進
❌ 誤り。錐体路障害による腱反射亢進・病的反射陽性は、麻痺と同じく損傷と同側の左下肢にみられます。

【試験対策ポイント】

Brown-Séquard症候群は「運動と深部感覚は同側、温痛覚は対側」の一言に尽きます。理由は交叉する場所の違いで、後索と皮質脊髄路は延髄で交叉(=脊髄内では同側)/外側脊髄視床路は脊髄内で交叉(=脊髄内では既に対側)だからです。損傷髄節レベルでは同側に全感覚脱失帯が出ます。本問のように図で左右が示されたら、まず斜線がどちら側かを確認し、次に問われている肢が同側か対側かを見極めることが得点への近道です。

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