PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午後 第89問

神経内科学第46回午後

第46回 理学療法士国家試験 午後 第89問(神経内科学)の正答は 3 です。分娩麻痺で最も多いのは上位型(Erb麻痺:C5・C6)で、頭位分娩で肩甲難産の際に頸部が側屈・伸展されて上位腕神経叢が牽引されて生じます。

問題
分娩麻痺で正しいのはどれか。
  1. 1. 低出生体重児に多い。
  2. 2. 下位型は頸部が伸展されて起こる。
  3. 3. 頭位分娩による上位型の予後は良い。 ✓
  4. 4. 頭位分娩では上位型よりも下位型が多い。
  5. 5. 両側例は骨盤位分娩よりも頭位分娩に多い。

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 頭位分娩による上位型の予後は良い

分娩麻痺で最も多いのは上位型(Erb麻痺:C5・C6)で、頭位分娩で肩甲難産の際に頸部が側屈・伸展されて上位腕神経叢が牽引されて生じます。多くは牽引による一過性の伝導障害であり、90%前後が自然回復する予後良好なタイプです。


【各選択肢の解説】

1. 低出生体重児に多い。
❌ 誤り。分娩時の牽引が原因なので、巨大児(高出生体重児)や肩甲難産、骨盤位分娩、吸引・鉗子分娩でリスクが高まります。
2. 下位型は頸部が伸展されて起こる。
❌ 誤り。頸部が側方に伸展・側屈されて起こるのは上位型です。下位型(Klumpke麻痺:C8・T1)は上肢が頭上へ強く挙上・牽引された際に生じます。
3. 頭位分娩による上位型の予後は良い。
✅ 正しい。牽引による神経の一過性障害が主体で、多くは数週〜数か月で自然回復します。この間は拘縮予防の関節可動域訓練と肢位保持が中心になります。
4. 頭位分娩では上位型よりも下位型が多い。
❌ 誤り。頭位分娩では肩が引き下げられる力が働くため上位型が圧倒的に多く、下位型は少数です。
5. 両側例は骨盤位分娩よりも頭位分娩に多い。
❌ 誤り。両側性の分娩麻痺は骨盤位分娩に多くみられ、重症例では横隔神経麻痺(C4)を合併することもあります。

【試験対策ポイント】

上位型(Erb麻痺)の肢位は「ウェイターのチップ肢位」=肩内転・内旋、肘伸展、前腕回内、手関節屈曲。三角筋・棘上筋・上腕二頭筋・腕橈骨筋が麻痺し、Moro反射は患側で消失、把握反射は保たれるのが特徴です。下位型(Klumpke麻痺)は手内在筋の麻痺による鷲手(claw hand)と、T1交感神経障害によるHorner症候群を伴うことがあり、予後は上位型より不良です。

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