PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午後 第94問

内科学・臨床医学第46回午後

第46回 理学療法士国家試験 午後 第94問(内科学・臨床医学)の正答は 1 です。虚血性大腸炎は、動脈硬化や便秘によるいきみなどを背景に大腸の血流が一過性に低下して起こります。

問題
虚血性大腸炎について正しいのはどれか。
  1. 1. 初発症状は腹痛である。
  2. 2. 大半が手術適応となる。
  3. 3. 好発部位は上行結腸である。
  4. 4. 発症のピークは 50 歳代である。
  5. 5. 頻回の下痢が発症の誘因となる。

正答:1番

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解説
■ 正答:1番 — 初発症状は腹痛である。

虚血性大腸炎は、動脈硬化や便秘によるいきみなどを背景に大腸の血流が一過性に低下して起こります。典型的な経過は突然の左下腹部痛(初発症状)→ 下痢 → 鮮血便という順序で、腹痛が先行するのが特徴です。


【各選択肢の解説】

1. 初発症状は腹痛である。
✅ 正しい。突然の腹痛(多くは左下腹部)で発症し、続いて下痢・血便が出現するという時間的順序が診断の手がかりになります。
2. 大半が手術適応となる。
❌ 誤り。大部分は一過性型で、絶食・輸液などの保存的治療により1〜2週で軽快します。手術が必要なのは壊死型など少数です。
3. 好発部位は上行結腸である。
❌ 誤り。血流の分水嶺にあたり血流が乏しい下行結腸〜S状結腸(左側結腸)が好発部位です。上行結腸は血流が比較的豊富です。
4. 発症のピークは50歳代である。
❌ 誤り。動脈硬化を基盤とするため60〜70歳代以降の高齢者に多い疾患です。
5. 頻回の下痢が発症の誘因となる。
❌ 誤り。誘因となるのは便秘です。硬便やいきみによる腸管内圧上昇が腸壁の血流を妨げます。下痢は結果として現れる症状であって誘因ではありません。

【試験対策ポイント】

腹痛が先か、血便が先かが鑑別のポイントで、虚血性大腸炎は腹痛が先行します。危険因子は高齢・動脈硬化・糖尿病・高血圧・便秘で、脳血管障害や心疾患の既往をもつ理学療法の対象者と重なります。急性期は絶食・安静が原則なので運動負荷は中止し、回復後は便秘予防(水分摂取・離床と歩行による腸蠕動促進)が再発予防として重要になります。上腸間膜動脈閉塞症(急性腸間膜虚血)は激烈な腹痛とショックを呈し緊急手術が必要な別疾患である点も区別しましょう。

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