PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午後 第95問

神経内科学第46回午後

第46回 理学療法士国家試験 午後 第95問(神経内科学)の正答は 2・5 です。上位運動ニューロン(皮質脊髄路など)が障害されると、下位運動ニューロンに対する抑制が外れるため、筋緊張の亢進(痙縮)・腱反射亢進・Babinski徴候などの病的反射陽性という「解放症状」が出現します。

問題
上位運動ニューロンの障害でみられる症状はどれか。 2つ選べ。
  1. 1. 振戦
  2. 2. 痙縮
  3. 3. 腱反射消失
  4. 4. 筋線維束攣縮
  5. 5. 病的反射陽性

正答:2・5番

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解説
■ 正答:2・5番 — 痙縮/病的反射陽性

上位運動ニューロン(皮質脊髄路など)が障害されると、下位運動ニューロンに対する抑制が外れるため、筋緊張の亢進(痙縮)・腱反射亢進・Babinski徴候などの病的反射陽性という「解放症状」が出現します。


【各選択肢の解説】

1. 振戦
❌ 誤り。安静時振戦はParkinson病、企図振戦は小脳障害でみられる不随意運動で、錐体外路系・小脳系の症候です。上位運動ニューロン障害の特徴ではありません。
2. 痙縮
✅ 正しい。速度依存性に筋緊張が亢進し、折りたたみナイフ現象を呈します。錐体路障害の代表的症候です。
3. 腱反射消失
❌ 誤り。上位運動ニューロン障害では腱反射は亢進します。消失するのは反射弓が断たれる下位運動ニューロン(前角細胞・末梢神経)障害の場合です。
4. 筋線維束攣縮
❌ 誤り。線維束攣縮(fasciculation)は前角細胞の変性など下位運動ニューロン障害でみられ、ALSや脊髄性筋萎縮症で特徴的です。
5. 病的反射陽性
✅ 正しい。Babinski徴候・Chaddock徴候・Hoffmann反射などが陽性となり、錐体路障害の他覚的な証拠になります。

【試験対策ポイント】

両者の鑑別は表で完全に押さえます。

項目上位運動ニューロン障害下位運動ニューロン障害
筋緊張亢進(痙縮)低下(弛緩)
腱反射亢進低下・消失
病的反射陽性陰性
筋萎縮軽度(廃用性で遅れて出現)高度・早期から
線維束攣縮なしあり

ALSは上位・下位の両方の徴候が同時にみられるのが最大の特徴で、これが頻出の引っかけです。急性期の脳卒中や脊髄損傷では一時的に弛緩性(脊髄ショック)となり、数日〜数週で痙縮へ移行する点も忘れずに押さえましょう。

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