PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午前 第25問

理学療法評価学第47回午前

第47回 理学療法士国家試験 午前 第25問(理学療法評価学)の正答は 4 です。心筋梗塞の既往がある患者では、努責(Valsalva手技)や上肢の等尺性収縮による急激な血圧上昇を避ける必要があり、拘束性呼吸障害では胸郭運動が制限される肢位を避ける必要があります。

問題
心筋梗塞の既往と拘束性呼吸障害とを有する患者にDanielsらの徒手筋力テストを行う際に、呼吸や血圧への影響が少ないのはどれか。ただし、検査は段階4以上とする。
  1. 1. 肩関節屈曲
  2. 2. 肘関節屈曲
  3. 3. 股関節屈曲
  4. 4. 股関節外転
  5. 5. 膝関節屈曲

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 股関節外転

心筋梗塞の既往がある患者では、努責(Valsalva手技)や上肢の等尺性収縮による急激な血圧上昇を避ける必要があり、拘束性呼吸障害では胸郭運動が制限される肢位を避ける必要があります。段階4以上の検査は抵抗を加えるため、側臥位で行う股関節外転が呼吸・循環への影響が最も少なくなります。


【各選択肢の解説】

1. 肩関節屈曲
❌ 誤り。座位で上肢を挙上した肢位に抵抗を加える。上肢挙上位での抵抗運動は血圧上昇が大きく、また呼吸補助筋の働きを妨げて呼吸困難を招きやすい。
2. 肘関節屈曲
❌ 誤り。座位で上肢に抵抗を加える運動である。上肢の抵抗運動(等尺性要素が強い)は下肢より昇圧反応が大きく、心疾患患者では負担になる。
3. 股関節屈曲
❌ 誤り。座位で腸腰筋という大筋群に抵抗を加えるため、体幹を固定しようとして腹圧が高まり努責を伴いやすく、血圧が上昇しやすい。
4. 股関節外転
✅ 正しい。側臥位で行うため胸郭や腹部が圧迫されず換気が妨げられにくい。上肢挙上も伴わず、努責も生じにくいため、呼吸・循環への影響が最も少ない。
5. 膝関節屈曲
❌ 誤り。腹臥位で行うため胸腹部が圧迫され、拘束性呼吸障害では換気がさらに制限される。呼吸困難を招きやすい。

【試験対策ポイント】

リスクのある患者にMMTを行う際の原則です。

  • 息を止めさせない:抵抗をかける間は「息を吐きながら」と声かけする(Valsalva手技=努責は静脈還流量の減少に続く急激な血圧変動を招く)
  • 上肢の等尺性運動・上肢挙上位は昇圧反応が大きい
  • 腹臥位は胸郭・腹部の圧迫により換気を制限する(拘束性障害・肥満・腹水で不利)
  • 背臥位は静脈還流が増え、心不全患者では臥位呼吸困難を招くことがある
段階3以下(抵抗をかけない)なら負荷は小さいのに対し、設問が「段階4以上」と指定しているのは、抵抗による血圧上昇を考えさせるためのヒントです。

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