PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午前 第41問

神経疾患理学療法第47回午前

第47回 理学療法士国家試験 午前 第41問(神経疾患理学療法)の正答は 3 です。エスカレーターは動いているステップに乗り移り、また動く床から静止した床へ踏み出すという二重の不安定さを伴います。

問題
片麻痺患者がエスカレーターを利用するときの方法で最も適切なのはどれか。
  1. 1. 上りは、患側から乗って患側から降りる。
  2. 2. 上りは、健側から乗って患側から降りる。
  3. 3. 下りは、健側から乗って健側から降りる。
  4. 4. 下りは、患側から乗って患側から降りる。
  5. 5. 下りは、患側から乗って健側から降りる。

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 下りは、健側から乗って健側から降りる。

エスカレーターは動いているステップに乗り移り、また動く床から静止した床へ踏み出すという二重の不安定さを伴います。片麻痺患者では、乗る時も降りる時も健側下肢を先に踏み出して支持基底面を確保するのが原則です。特に下りエスカレーターは前方への転倒リスクが高いため、健側から乗り健側から降りる3が最も適切です。


【各選択肢の解説】

1. 上りは、患側から乗って患側から降りる。
❌ 誤り。患側を先に出すと、踏み出した足に体重を移した瞬間に膝折れや支持不能を起こす危険があります。乗る時も降りる時も先に出すのは健側です。
2. 上りは、健側から乗って患側から降りる。
❌ 誤り。乗り込みは健側からで正しいものの、降りる際に患側を先に出すと、静止した床に接地した患側で体重を支えられず転倒につながります。降り口でも健側を先に踏み出します。
3. 下りは、健側から乗って健側から降りる。
✅ 正しい。下りエスカレーターは重心が前方へ流れやすく最も危険なため、乗り込み・降り口ともに健側で確実に支持面を確保します。手すりは健側の手で把持し、ステップの端に立たず中央に立つことも指導します。
4. 下りは、患側から乗って患側から降りる。
❌ 誤り。最も危険な組み合わせです。動くステップへ患側から踏み出す時点でバランスを崩しやすく、降り口でも支持できません。
5. 下りは、患側から乗って健側から降りる。
❌ 誤り。降り口が健側でも、乗り込み時に患側を先に出すこと自体が危険です。

【試験対策ポイント】

片麻痺患者の移動の原則は場面ごとに整理します。

  • 階段:上りは健側から(健側で引き上げる)、下りは患側から(健側で最後まで支える)=「上り健足・下り患足
  • エスカレーター:乗る時・降りる時とも健側から踏み出す
  • 杖歩行(三動作):杖→患側→健側の順
  • 車椅子への移乗:健側を車椅子に近づけ、健側を軸に回る
  • 更衣:着るのは患側から、脱ぐのは健側から=「着患脱健
階段は「体を持ち上げる/下ろす」局面で強い側を働かせる考え方、エスカレーターは「不安定な床へ先に踏み出す足を強い側にする」考え方であり、原則が異なる点が引っかけどころです。

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