PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午前 第44問

神経疾患理学療法第47回午前

第47回 理学療法士国家試験 午前 第44問(神経疾患理学療法)の正答は 3 です。すくみ足があっても床の横棒はまたげるという現象は、視覚的な外的手がかり(外的キュー)が大脳基底核を介さない運動経路を働かせるためで、逆説的歩行(kinésie paradoxale)と呼ばれます。

問題
Parkinson病患者では、すくみ足の症状があっても、床の上の横棒をまたぐことは円滑にできる。この現象と同じ機序を利用した訓練法はどれか。
  1. 1. 水中での歩行訓練
  2. 2. 重りを用いた筋力増強訓練
  3. 3. リズム音に合わせた歩行訓練
  4. 4. バランスボードを用いた立位訓練
  5. 5. 自転車エルゴメーターによる有酸素運動

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — リズム音に合わせた歩行訓練

すくみ足があっても床の横棒はまたげるという現象は、視覚的な外的手がかり(外的キュー)が大脳基底核を介さない運動経路を働かせるためで、逆説的歩行(kinésie paradoxale)と呼ばれます。リズム音に合わせた歩行訓練は同じ原理を聴覚キューで利用したもので、これが正答です。


【各選択肢の解説】

1. 水中での歩行訓練
❌ 誤り。浮力による免荷や水の抵抗を利用した運動で、外的キューによる運動誘発とは機序が異なります。
2. 重りを用いた筋力増強訓練
❌ 誤り。筋力(筋出力)に対するアプローチであり、すくみ足の原因である運動開始困難とは別の機序です。
3. リズム音に合わせた歩行訓練
✅ 正しい。メトロノームや号令、音楽のリズムという聴覚的キューが、障害された大脳基底核─補足運動野系を迂回して運動を誘発します。横棒をまたげる現象(視覚キュー)と同じ機序です。
4. バランスボードを用いた立位訓練
❌ 誤り。動揺する支持面での姿勢制御を高める訓練であり、キューによる運動誘発とは異なります。
5. 自転車エルゴメーターによる有酸素運動
❌ 誤り。全身持久力の向上を目的とする運動で、外的手がかりの利用ではありません(ただしパーキンソン病でも下肢のリズム運動として有用ではあります)。

【試験対策ポイント】

パーキンソン病のすくみ足対策=キューイング(cueing)の具体例をまとめます。

  • 視覚キュー:床に等間隔の横線・目印を貼る、介助者の足をまたがせる、L字型杖の先で床に目印を作る
  • 聴覚キュー:メトロノーム、「イチ、ニ」の号令、行進曲などのリズム音楽
  • 体性感覚キュー:軽く体を押して重心移動を促す、その場での足踏みから開始
  • 認知的方略:動作を分解して順に意識させる(一度に一動作)
そのほかの重要事項として、Hoehn & Yahr分類(Ⅲ度=姿勢反射障害出現・介助不要、Ⅳ度=日常生活に介助が必要、Ⅴ度=車椅子・寝たきり)、四大症状(安静時振戦・筋強剛・無動/寡動・姿勢反射障害)、すくみ足は方向転換・狭い場所・目標直前で出やすいことが頻出です。方向転換時は小刻みに回らず大回りするよう指導します。

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