PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午前 第46問

神経内科学第47回午前

第47回 理学療法士国家試験 午前 第46問(神経内科学)の正答は 3 です。手根管症候群は屈筋支帯の下(手根管内)で正中神経が絞扼される障害です。

問題
絞扼性神経障害と症状の組合せで正しいのはどれか。
  1. 1. 肘部管症候群 ―― 母指外転障害
  2. 2. 後骨間神経麻痺 ―― 母指内転障害
  3. 3. 手根管症候群 ―― 母指対立障害
  4. 4. 梨状筋症候群 ―― 大腿前面のしびれ
  5. 5. 足根管症候群 ―― 足背のしびれ

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 手根管症候群 ―― 母指対立障害

手根管症候群は屈筋支帯の下(手根管内)で正中神経が絞扼される障害です。正中神経は母指球筋のうち短母指外転筋・母指対立筋を支配するため、進行すると母指の対立・外転が困難となり、母指球が萎縮して手掌が平坦になる猿手(ape hand)を呈します。


【各選択肢の解説】

1. 肘部管症候群 ―― 母指外転障害
❌ 誤り。肘部管症候群は肘内側で尺骨神経が絞扼される障害で、母指内転障害(母指内転筋の麻痺=Froment徴候)、小指・環指尺側のしびれ、鷲手(骨間筋・虫様筋麻痺)を生じます。母指外転(短母指外転筋)は正中神経支配です。
2. 後骨間神経麻痺 ―― 母指内転障害
❌ 誤り。後骨間神経は橈骨神経の深枝(運動枝)で、麻痺すると手指のMP関節が伸展できない下垂指(drop finger)を生じます。手関節背屈は保たれ、純粋な運動枝のため感覚障害を伴わないのが特徴です。母指内転は尺骨神経支配です。
3. 手根管症候群 ―― 母指対立障害
✅ 正しい。正中神経の絞扼により母指対立筋・短母指外転筋が麻痺し、対立障害と母指球の萎縮(猿手)をきたします。夜間から明け方の母指〜環指橈側のしびれ・疼痛も典型症状です。
4. 梨状筋症候群 ―― 大腿前面のしびれ
❌ 誤り。梨状筋の下を通る坐骨神経が絞扼されるため、症状は殿部から大腿後面・下腿にかけての痛みとしびれです。大腿前面の感覚は大腿神経・外側大腿皮神経(鼠径部での絞扼=知覚異常性大腿痛)の領域です。
5. 足根管症候群 ―― 足背のしびれ
❌ 誤り。足根管症候群は内果後方の屈筋支帯下で脛骨神経が絞扼され、足底のしびれ・灼熱感を生じます。足背の感覚は主に浅腓骨神経が支配します。

【試験対策ポイント】

絞扼性神経障害は「部位・神経・特徴的所見」の3点セットで暗記します。

疾患絞扼される神経特徴的所見
胸郭出口症候群腕神経叢・鎖骨下動脈上肢挙上での症状、Wright・Adsonテスト
肘部管症候群尺骨神経(肘内側)鷲手、Froment徴候、環・小指のしびれ
手根管症候群正中神経(手関節掌側)猿手、母指対立障害、Phalen・Tinel徴候、夜間痛
Guyon管症候群尺骨神経(手関節)骨間筋萎縮、感覚障害は手掌側のみ
後骨間神経麻痺橈骨神経深枝下垂指、感覚障害なし
梨状筋症候群坐骨神経殿部〜大腿後面の疼痛・しびれ
足根管症候群脛骨神経(内果後方)足底のしびれ・灼熱痛

「下垂手(橈骨神経本幹・手関節も背屈不能)」と「下垂指(後骨間神経・手関節背屈は可能)」の区別も頻出です。

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