第47回 理学療法士国家試験 午前 第74問
運動学第47回午前
第47回 理学療法士国家試験 午前 第74問(運動学)の正答は 3 です。鶏歩(steppage gait)は下垂足のためにつま先が床を擦らないよう、遊脚期に股関節・膝関節を過度に屈曲して足を高く持ち上げる歩行です。
問題
麻痺のために鶏歩を呈するのはどれか。
- 1. 腓腹筋
- 2. ヒラメ筋
- 3. 前脛骨筋 ✓
- 4. 大腿二頭筋
- 5. 大腿四頭筋
正答:3番
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解説
■ 正答:3番 — 前脛骨筋
鶏歩(steppage gait)は下垂足のためにつま先が床を擦らないよう、遊脚期に股関節・膝関節を過度に屈曲して足を高く持ち上げる歩行です。足関節背屈筋である前脛骨筋(深腓骨神経支配、L4〜L5)の麻痺で生じます。
【各選択肢の解説】
1. 腓腹筋
❌ 鶏歩は生じない。底屈筋であり、麻痺すると立脚終期の蹴り出しが弱くなり踵離地が遅れる。
❌ 鶏歩は生じない。底屈筋であり、麻痺すると立脚終期の蹴り出しが弱くなり踵離地が遅れる。
2. ヒラメ筋
❌ 鶏歩は生じない。同じく底屈筋で、麻痺すると立脚期に下腿の前傾を制動できず膝折れや蹴り出し低下をきたす。
❌ 鶏歩は生じない。同じく底屈筋で、麻痺すると立脚期に下腿の前傾を制動できず膝折れや蹴り出し低下をきたす。
3. 前脛骨筋
✅ 鶏歩を生じる。背屈筋の麻痺により下垂足となり、鶏歩や踵接地の消失・foot slap(足底を打ち付ける音)がみられる。
✅ 鶏歩を生じる。背屈筋の麻痺により下垂足となり、鶏歩や踵接地の消失・foot slap(足底を打ち付ける音)がみられる。
4. 大腿二頭筋
❌ 鶏歩は生じない。ハムストリングス(膝屈曲・股伸展)で、麻痺では立脚期の股関節安定性が低下する。
❌ 鶏歩は生じない。ハムストリングス(膝屈曲・股伸展)で、麻痺では立脚期の股関節安定性が低下する。
5. 大腿四頭筋
❌ 鶏歩は生じない。麻痺では膝折れを防ぐため体幹を前傾させ手で大腿を押さえる、あるいは膝を過伸展位にロックして歩く。
❌ 鶏歩は生じない。麻痺では膝折れを防ぐため体幹を前傾させ手で大腿を押さえる、あるいは膝を過伸展位にロックして歩く。
【試験対策ポイント】
異常歩行と原因の対応は毎年出題される。
| 異常歩行 | 原因 |
|---|---|
| 鶏歩(steppage gait) | 前脛骨筋麻痺(腓骨神経麻痺)による下垂足 |
| Trendelenburg歩行 | 中殿筋(股関節外転筋)の筋力低下 |
| Duchenne歩行 | 中殿筋筋力低下に対し体幹を患側へ側屈する代償 |
| 大殿筋歩行(後方突進) | 大殿筋麻痺。立脚期に体幹を後方へ反らす |
| 分回し歩行 | 片麻痺で膝屈曲・足背屈が困難なため下肢を外側に振り出す |
| 失調性歩行(酩酊歩行) | 小脳障害。歩隔が広く動揺する |
| 小刻み歩行・すくみ足 | Parkinson病 |
| 間欠性跛行 | 閉塞性動脈硬化症・腰部脊柱管狭窄症 |
腓骨神経麻痺は下肢で最も多い絞扼性神経障害で、腓骨頭部の圧迫(ギプス・長時間の下肢外旋位臥床・脚を組む姿勢)が原因。下垂足+下腿外側から足背の感覚障害を呈し、短下肢装具(AFO)とポジショニング指導が対応の要点となる。
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