第47回 理学療法士国家試験 午前 第75問
内科学・臨床医学第47回午前
第47回 理学療法士国家試験 午前 第75問(内科学・臨床医学)の正答は 3 です。脂溶性の薬物はそのままでは腎から排泄されにくいため、肝臓の薬物代謝酵素(チトクロームP450など)による酸化・還元・加水分解(第I相反応)とグルクロン酸抱合など(第II相反応)を受けて水溶性が高まり、尿中や胆汁中へ排泄されやすくなります。
問題
薬物療法について正しいのはどれか。
- 1. 薬物は半減期が長いほど体内から速く排泄される。
- 2. 経口投与されたバクロフェンは髄液に移行しない。
- 3. 脂溶性の薬物は肝臓で代謝されると排泄されやすくなる。 ✓
- 4. 血液透析を受けている患者では投薬量を通常よりも多くする。
- 5. 抗てんかん薬の血中濃度が治療域の下限以上であれば発作は起こらない。
正答:3番
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解説
■ 正答:3番 — 脂溶性の薬物は肝臓で代謝されると排泄されやすくなる。
脂溶性の薬物はそのままでは腎から排泄されにくいため、肝臓の薬物代謝酵素(チトクロームP450など)による酸化・還元・加水分解(第I相反応)とグルクロン酸抱合など(第II相反応)を受けて水溶性が高まり、尿中や胆汁中へ排泄されやすくなります。
【各選択肢の解説】
1. 薬物は半減期が長いほど体内から速く排泄される。
❌ 誤り。半減期は血中濃度が半分になるまでの時間で、長いほど排泄は遅い。半減期の4〜5倍の時間で血中濃度は定常状態に達する。
❌ 誤り。半減期は血中濃度が半分になるまでの時間で、長いほど排泄は遅い。半減期の4〜5倍の時間で血中濃度は定常状態に達する。
2. 経口投与されたバクロフェンは髄液に移行しない。
❌ 誤り。経口バクロフェンも血液脳関門を通過して中枢に作用する。ただし移行効率が低く眠気・脱力などの全身性副作用が問題となるため、重度痙縮では髄腔内投与(ITB療法)が選択される。
❌ 誤り。経口バクロフェンも血液脳関門を通過して中枢に作用する。ただし移行効率が低く眠気・脱力などの全身性副作用が問題となるため、重度痙縮では髄腔内投与(ITB療法)が選択される。
3. 脂溶性の薬物は肝臓で代謝されると排泄されやすくなる。
✅ 正しい。代謝により水溶性の代謝物となり、腎(尿)や胆汁から排泄されやすくなる。
✅ 正しい。代謝により水溶性の代謝物となり、腎(尿)や胆汁から排泄されやすくなる。
4. 血液透析を受けている患者では投薬量を通常よりも多くする。
❌ 誤り。腎排泄型の薬物は体内に蓄積しやすいため、通常は減量するか投与間隔を延長する。
❌ 誤り。腎排泄型の薬物は体内に蓄積しやすいため、通常は減量するか投与間隔を延長する。
5. 抗てんかん薬の血中濃度が治療域の下限以上であれば発作は起こらない。
❌ 誤り。治療域はあくまで目安であり、下限以上でも発作は起こりうる。睡眠不足・過労・発熱・飲酒・過換気・光刺激などが誘因となる。
❌ 誤り。治療域はあくまで目安であり、下限以上でも発作は起こりうる。睡眠不足・過労・発熱・飲酒・過換気・光刺激などが誘因となる。
【試験対策ポイント】
リハビリ場面で押さえるべき薬剤の影響を整理する。①ステロイド長期投与=骨粗鬆症・易感染性・ステロイドミオパチー→運動負荷量と転倒に注意。②降圧薬・利尿薬=起立性低血圧→離床は段階的にゆっくり行う。③ベンゾジアゼピン系・抗精神病薬=ふらつき・眠気・錐体外路症状→高齢者の転倒リスク。④L-ドパ=wearing off・on-off現象→薬効のある時間帯に訓練を設定する。⑤抗凝固薬(ワルファリン・DOAC)=出血傾向→強い他動運動やマッサージ、転倒による頭部外傷に注意。薬物動態はADME(吸収・分布・代謝・排泄)の4段階で整理し、初回通過効果(経口薬が肝臓で代謝を受ける現象)も頻出。
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