PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午前 第76問

病理学概論第47回午前

第47回 理学療法士国家試験 午前 第76問(病理学概論)の正答は 5 です。急性炎症の初期に現れる基本的な変化は「炎症の4徴(発赤・腫脹・熱感・疼痛)」で、これに機能障害を加えて5徴とよびます。

問題
急性炎症の初期にみられないのはどれか。
  1. 1. 発赤
  2. 2. 腫脹
  3. 3. 疼痛
  4. 4. 熱感
  5. 5. 拘縮

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 拘縮

急性炎症の初期に現れる基本的な変化は「炎症の4徴(発赤・腫脹・熱感・疼痛)」で、これに機能障害を加えて5徴とよびます。いずれも血管拡張・血流増加・血管透過性亢進という急性期の血管反応から説明できます。拘縮は関節周囲の軟部組織が長期間動かされないことで生じる慢性期の二次的変化であり、炎症が始まった直後にみられるものではありません。


【各選択肢の解説】

1. 発赤
❌ 誤り。急性炎症の初期にみられます。細動脈が拡張して局所の血流が増えるため皮膚が赤くなります。
2. 腫脹
❌ 誤り。急性炎症の初期にみられます。血管透過性が亢進して血漿成分(滲出液)が組織間隙へ漏れ出し、腫れが生じます。
3. 疼痛
❌ 誤り。急性炎症の初期にみられます。ブラジキニン・プロスタグランジンなどの化学伝達物質が侵害受容器を感作し、腫脹による組織内圧上昇も痛みを増強します。
4. 熱感
❌ 誤り。急性炎症の初期にみられます。血流増加により温かい動脈血が局所に多く流れ込むため熱をもちます。
5. 拘縮
✅ 正しい(=初期にみられないもの)。拘縮は不動や瘢痕化によって関節可動域が制限された状態で、炎症が持続・遷延した結果として数週間単位で完成します。急性期に起こるのは腫脹による一時的な可動域制限(機能障害)であって拘縮ではありません。

【試験対策ポイント】

炎症の徴候はほぼ毎年どこかで問われる基本事項です。

  • 発赤(rubor):細動脈が拡張して充血するため
  • 熱感(calor):局所の血流が増加するため
  • 腫脹(tumor):血管透過性亢進による滲出液の貯留
  • 疼痛(dolor):化学伝達物質による感作+組織内圧の上昇
  • 機能障害(functio laesa):上記4徴の結果(Galenが追加した5徴目)
覚え方は「発熱腫痛(はつねつしゅつう)+機能障害」。4徴はCelsus、5徴目の機能障害はGalenが加えたとされます。急性炎症=好中球が主役、慢性炎症=リンパ球・マクロファージ+線維化・肉芽組織形成、という細胞レベルの対比もセットで押さえましょう。選択肢に「拘縮・線維化・肉芽形成」が出てきたら慢性期の変化と判断できます。

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