PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午前 第86問

神経内科学第47回午前

第47回 理学療法士国家試験 午前 第86問(神経内科学)の正答は 3 です。Froment徴候は、母指と示指で紙をつまませたときに母指IP関節が屈曲してしまう所見です。

問題
尺骨神経麻痺でみられるのはどれか。
  1. 1. Kernig徴候
  2. 2. Lasègue徴候
  3. 3. Froment徴候
  4. 4. Lhermitte徴候
  5. 5. McMurray徴候

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — Froment徴候

Froment徴候は、母指と示指で紙をつまませたときに母指IP関節が屈曲してしまう所見です。尺骨神経支配の母指内転筋・第1背側骨間筋が麻痺し、正中神経支配の長母指屈筋で代償するために起こります。したがって尺骨神経麻痺でみられる徴候です。


【各選択肢の解説】

1. Kernig徴候
❌ 誤り。背臥位で股関節・膝関節を90°屈曲させた状態から膝を伸展させると、抵抗と疼痛が生じる髄膜刺激徴候です。髄膜炎・くも膜下出血でみられます。
2. Lasègue徴候
❌ 誤り。背臥位で膝伸展位のまま下肢を挙上すると殿部から下肢後面に放散痛が出る所見(SLRテスト)で、腰椎椎間板ヘルニアなど坐骨神経の障害を示唆します。
3. Froment徴候
✅ 正しい。母指内転筋の麻痺により、つまみ動作で母指MP関節が過伸展・IP関節が屈曲します。尺骨神経麻痺の代表的所見で、鷲手・小指外転筋の萎縮・環指尺側〜小指の感覚障害を伴います。
4. Lhermitte徴候
❌ 誤り。頸部を前屈すると背部から下肢へ電撃様の異常感覚が走る所見で、頸髄後索の病変を示します。多発性硬化症・頸椎症性脊髄症でみられます。
5. McMurray徴候
❌ 誤り。膝を屈曲位から下腿を内旋・外旋させながら伸展したときのクリックや疼痛で、半月板損傷を判定するテストです。

【試験対策ポイント】

人名のついた徴候・テストは「どの部位の何をみるか」で整理して丸暗記します。

  • Froment:尺骨神経麻痺(母指内転筋の麻痺)
  • Tinel:神経の再生・絞扼部位(叩打で放散痛)
  • Phalen:手根管症候群(正中神経)
  • Kernig・Brudzinski・項部硬直:髄膜刺激徴候
  • Lasègue(SLR):坐骨神経・L4〜S1神経根
  • 大腿神経伸展(FNS):L2〜L4神経根
  • Lhermitte:頸髄後索病変(多発性硬化症・頸椎症)
  • McMurray・Apley:半月板損傷
  • Lachman・前方引き出し:前十字靱帯損傷
  • Trendelenburg:中殿筋麻痺・変形性股関節症
  • Thomas:腸腰筋の短縮(股関節屈曲拘縮)
上肢末梢神経麻痺は変形名でも押さえます。尺骨神経=鷲手(Froment徴候)/正中神経=猿手(母指対立不能・涙のしずくサイン)/橈骨神経=下垂手(手関節背屈不能)。この3点セットは毎年のように出題されます。

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