PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午前 第92問

内科学・臨床医学第47回午前

第47回 理学療法士国家試験 午前 第92問(内科学・臨床医学)の正答は 3 です。左心不全では左心室のポンプ機能低下により血液が左房・肺静脈側に滞り、肺うっ血が生じます。

問題
左心不全の症状はどれか。
  1. 1. 高血圧
  2. 2. 肝脾腫
  3. 3. 起坐呼吸
  4. 4. 下腿浮腫
  5. 5. 頸静脈怒張

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 起坐呼吸

左心不全では左心室のポンプ機能低下により血液が左房・肺静脈側に滞り、肺うっ血が生じます。臥位になると下肢や腹部から静脈還流が増えて肺うっ血が悪化するため、患者は上体を起こすと楽になる起坐呼吸(orthopnea)という特徴的な姿勢をとります。


【各選択肢の解説】

1. 高血圧
❌ 誤り。高血圧は左心不全を引き起こす原因(危険因子)であり、症状ではありません。むしろ心不全が進行すると心拍出量低下により血圧は下がります。
2. 肝脾腫
❌ 誤り。体静脈系のうっ血によるもので、右心不全の症状です。肝腫大に伴い右季肋部痛や肝機能障害を認めます。
3. 起坐呼吸
✅ 正しい。肺うっ血による呼吸困難が臥位で増悪するため上体を起こします。同じく肺うっ血由来の症状として、労作時呼吸困難、発作性夜間呼吸困難、湿性ラ音(水泡音)、ピンク色泡沫状痰があります。
4. 下腿浮腫
❌ 誤り。体静脈うっ血による右心不全の症状です。重力の影響を受けるため、臥床患者では下腿ではなく仙骨部に出現します。
5. 頸静脈怒張
❌ 誤り。右房圧上昇を反映する所見で、右心不全の代表的徴候です。座位(45°)で頸静脈が怒張していれば中心静脈圧の上昇を示します。

【試験対策ポイント】

心不全は「左=肺うっ血、右=体静脈うっ血」で機械的に振り分けられます。

左心不全(肺うっ血)右心不全(体静脈うっ血)
労作時呼吸困難・起坐呼吸頸静脈怒張
発作性夜間呼吸困難肝腫大・肝脾腫・腹水
湿性ラ音・ピンク色泡沫状痰下腿(臥床では仙骨部)浮腫
チアノーゼ・低酸素血症体重増加・食欲不振・悪心
III音(ギャロップ)・心拡大中心静脈圧の上昇

左心不全が進行すると肺高血圧を介して右心不全を合併し、両心不全となる点も重要です。重症度分類はNYHA分類(I〜IV度)、急性心筋梗塞後の血行動態評価にはKillip分類・Forrester分類を用います。運動療法の中止・除外基準として「安静時にも症状のあるNYHA IV度」「体重増加が3日で2 kg以上」「安静時心拍120/分以上」などが問われます。Borg指数11〜13の範囲で行う、というのが心臓リハの標準的な運動強度設定です。

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