第47回 理学療法士国家試験 午前 第94問
第47回 理学療法士国家試験 午前 第94問(内科学・臨床医学)の正答は 3 です。肺気腫では肺胞壁が破壊されて肺の弾性収縮力(縮もうとする力)が失われるため、呼気時に肺が十分に縮まず空気が肺内に残ります。
- 1. 横隔膜高位
- 2. 1秒率の増加
- 3. 機能的残気量の増加 ✓
- 4. 解剖学的死腔の減少
- 5. 心胸郭比(CTR)の増加
正答:3番
初回正答率 80%参考値
10人の初回解答から算出(2026年10月2日時点)。母数が少ないため参考値です
同じ利用者の2回目以降の解答は除外しています(再挑戦を含めると正答率は実力より高く出るため)。国家試験の公式発表値ではなく、PTカコモンで実際に解かれた記録にもとづく数値です。
肺気腫では肺胞壁が破壊されて肺の弾性収縮力(縮もうとする力)が失われるため、呼気時に肺が十分に縮まず空気が肺内に残ります。このエアートラッピング(空気とらえこみ)によって残気量(RV)・機能的残気量(FRC)・全肺気量(TLC)がいずれも増加し、いわゆる肺の過膨張をきたします。
【各選択肢の解説】
❌ 誤り。肺の過膨張により横隔膜は押し下げられ、平低化・低位となります。胸部X線では横隔膜の平坦化、肋間腔の開大、透過性亢進、樽状胸郭が特徴です。
❌ 誤り。末梢気道の虚脱により呼出が障害されるため、1秒率(FEV₁/FVC)は70%未満に低下します。閉塞性換気障害の定義そのものです。
✅ 正しい。安静呼気位で肺内に残る空気量(FRC=予備呼気量+残気量)が増加します。過膨張により横隔膜が平低化して収縮効率が落ち、呼吸仕事量が増大します。
❌ 誤り。肺気腫では気腔の破壊・拡大により、ガス交換に関与しない領域(肺胞死腔)が増え、生理学的死腔は増加します。死腔が減ることはありません。
❌ 誤り。肺の過膨張により心臓は縦に細長く見え、CTRはむしろ小さくなります(滴状心)。CTRの増加(50%超)は心不全・心拡大の所見です。
【試験対策ポイント】
換気障害は「1秒率と%肺活量」の2軸で必ず分類できます。
| 型 | 1秒率 | %肺活量 | 代表疾患 |
|---|---|---|---|
| 閉塞性 | 70%未満 | 80%以上 | 肺気腫・慢性気管支炎(COPD)・気管支喘息 |
| 拘束性 | 70%以上 | 80%未満 | 間質性肺炎・肺線維症・胸郭変形・神経筋疾患 |
| 混合性 | 70%未満 | 80%未満 | 進行したCOPD・じん肺 |
肺気腫の身体所見は口すぼめ呼吸・呼気延長・樽状胸郭・呼吸音減弱・打診での鼓音・呼吸補助筋の発達・体重減少(るいそう)。理学療法では口すぼめ呼吸で気道内圧を保って虚脱を防ぎ、上肢挙上を伴う動作で息切れが強くなる点に配慮したADL指導(動作と呼吸の同調)を行います。運動時のSpO2は90%以上を維持し、90%未満に低下したら中止または酸素流量の調整を検討します。「肺は膨らむのにCTRは下がる(滴状心)」という一見逆の関係が引っかけとして頻出です。
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