PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午前 第16問

内部障害理学療法第45回午前

第45回 理学療法士国家試験 午前 第16問(内部障害理学療法)の正答は 2 です。慢性閉塞性肺疾患では息こらえ(息止め・Valsalva法)は禁忌です。

問題
70歳の男性。慢性閉塞性肺疾患で%VC 70 %、FEV₁.₀% 75 %。この患者に対する理学療法で誤っているのはどれか。
  1. 1. 息切れ時のポジショニングの指導
  2. 2. 息こらえをしながら立ち上がる訓練
  3. 3. 自転車エルゴメーターによる持久力訓練
  4. 4. 下肢の筋力強化のためのハーフスクワット訓練
  5. 5. 上肢の筋力強化のための四つ這いでの腕立て伏せ訓練

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 息こらえをしながら立ち上がる訓練

慢性閉塞性肺疾患では息こらえ(息止め・Valsalva法)は禁忌です。声門を閉じて力むと胸腔内圧が上昇して静脈還流と心拍出量が低下し、さらに呼気が妨げられて動的過膨張と低酸素血症を招きます。動作は止めずに、口すぼめ呼吸で息を吐きながら行うよう指導するのが原則です。


【各選択肢の解説】

1. 息切れ時のポジショニングの指導
✅ 正しい。前傾座位で上肢をテーブルや膝に乗せる姿勢は横隔膜が働きやすく、呼吸補助筋も使いやすいため呼吸困難が軽減します。息切れ時の対処法として必ず指導します。
2. 息こらえをしながら立ち上がる訓練
❌ 誤り。息こらえは胸腔内圧を上昇させ、呼吸困難と低酸素を悪化させます。立ち上がりなど力を要する動作は呼気に合わせて行うよう指導します。
3. 自転車エルゴメーターによる持久力訓練
✅ 正しい。下肢を中心とした持久力訓練は呼吸リハビリテーションの中核で、運動耐容能と息切れ・QOLの改善が証明されています。
4. 下肢の筋力強化のためのハーフスクワット訓練
✅ 正しい。COPDでは大腿四頭筋を中心とした骨格筋機能障害が予後に関わるため、下肢筋力強化は重要な要素です。
5. 上肢の筋力強化のための四つ這いでの腕立て伏せ訓練
✅ 正しい。上肢の筋力強化は更衣・洗髪など上肢挙上を伴うADLの息切れを軽減します。息をこらえずに呼気に合わせて行えば安全に実施できます。

【試験対策ポイント】

換気障害の分類は数値で機械的に判断します。

分類基準
閉塞性1秒率(FEV1.0%)70%未満
拘束性%肺活量(%VC)80%未満
混合性両方を満たす

本症例は%VC 70%・FEV1.0% 75%であり、数値のうえでは肺活量の低下が前面に出ています。

呼吸理学療法の基本指導は次のとおりです。

  • 口すぼめ呼吸:呼気時の気道虚脱を防ぎ、呼気を延長する
  • 横隔膜(腹式)呼吸:換気効率を高める
  • 動作と呼吸の同調:力を入れる動作は必ず呼気で行い、息こらえをしない
  • 運動中止基準:SpO2 90%未満、著しい呼吸困難、不整脈の出現
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ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、理学療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

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