PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午後 第2問

運動学第47回午後

第47回 理学療法士国家試験 午後 第2問(運動学)の正答は 2 です。図では背臥位から両下肢を伸展挙上した際に、骨盤が前傾して腰椎前弯が増強し、腰部が床から浮き上がっています。

問題
背臥位での両下肢挙上運動において、次のような姿勢変化が観察された。筋力が低下していると判断される筋はどれか。
第47回午後第2問 図
  1. 1. 腸腰筋
  2. 2. 腹直筋
  3. 3. 大腿直筋
  4. 4. 大腿二頭筋
  5. 5. 腸肋筋

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 腹直筋

図では背臥位から両下肢を伸展挙上した際に、骨盤が前傾して腰椎前弯が増強し、腰部が床から浮き上がっています。両下肢挙上時には腸腰筋が骨盤を前方へ引くため、これに拮抗して骨盤を後傾位に固定する腹筋群(とくに腹直筋)の筋力が不足するとこの姿勢変化が起こります。


【各選択肢の解説】

1. 腸腰筋
❌ 誤り。腸腰筋は下肢挙上の主動作筋であり、低下していれば下肢を挙上できない。図では両下肢を挙上できている。
2. 腹直筋
✅ 正しい。骨盤を後傾位に保持できないため、腸腰筋の牽引で骨盤前傾・腰椎前弯増強が生じる。両下肢挙上は腹筋力の簡易テストとして用いられる。
3. 大腿直筋
❌ 誤り。股関節屈曲+膝伸展に働く筋。図では膝伸展位を保てており、この筋の低下を示す所見ではない。
4. 大腿二頭筋
❌ 誤り。膝屈曲・股関節伸展筋で、下肢挙上時には伸張される側にある。低下しても腰椎前弯の増強にはつながらない。
5. 腸肋筋
❌ 誤り。脊柱起立筋の一部で腰椎前弯を作る側の筋。低下していれば前弯はむしろ増強しない。

【試験対策ポイント】

骨盤の前後傾は「腸腰筋=前傾」と「腹直筋・大殿筋・ハムストリングス=後傾」の綱引きで決まる。片方が弱れば、もう片方に引かれた姿勢が現れる。

腹筋力低下でみられる代表的サインは次のとおり。

  • 背臥位での両下肢挙上で腰椎前弯が増強し腰部が床から浮く(本問)
  • 起き上がり動作で骨盤が前傾し、下肢が床から浮き上がる
  • 立位で腹部が突出し骨盤前傾・腰椎前弯が強くなる(Duchenne型筋ジストロフィーの動揺歩行も同じ機序)
下肢挙上時に腰痛を訴える例では、骨盤後傾位を保ったまま片脚ずつ挙上する段階的な運動から始めるのが安全である。

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