第47回 理学療法士国家試験 午後 第9問
神経疾患理学療法第47回午後
第47回 理学療法士国家試験 午後 第9問(神経疾患理学療法)の正答は 1 です。Brunnstrom法ステージがⅠ(弛緩性麻痺)で、膝立ち位でも体幹が前方へ崩れてしまう段階です。
問題
65歳の男性。右利き。左中大脳動脈領域の脳梗塞による右片麻痺。発症後 3 週経過した時点で Brunnstrom 法ステージは上肢、手指および下肢ともにⅠ。介助で膝立ち位をさせると体幹が前方へ崩れてしまう。バイタルサインは安定している。この患者に対する理学療法として適切なのはどれか。
- 1. 長下肢装具を装着した状態での立位訓練 ✓
- 2. 足継手付きプラスチック製短下肢装具を装着した状態での歩行訓練
- 3. 床からの立ち上がり訓練
- 4. 自転車エルゴメーターによる有酸素運動
- 5. 浴槽への移乗訓練
正答:1番
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解説
■ 正答:1番 — 長下肢装具を装着した状態での立位訓練
Brunnstrom法ステージがⅠ(弛緩性麻痺)で、膝立ち位でも体幹が前方へ崩れてしまう段階です。麻痺側は膝折れを起こすため、膝関節と足関節を制動できる長下肢装具(KAFO)を用いて早期から抗重力位(立位)をとらせ、荷重感覚の入力・廃用の予防・体幹の抗重力活動を促すのが適切です。
【各選択肢の解説】
1. 長下肢装具を装着した状態での立位訓練
✅ 適切。膝の支持性がない弛緩期でも膝折れを防いで安全に立位をとれる。バイタルも安定しており早期離床の適応にあたる。
✅ 適切。膝の支持性がない弛緩期でも膝折れを防いで安全に立位をとれる。バイタルも安定しており早期離床の適応にあたる。
2. 足継手付きプラスチック製短下肢装具を装着した状態での歩行訓練
❌ 不適切。短下肢装具では膝を制動できないため、ステージⅠでは膝折れして歩行できない。膝の支持性が出てから移行する。
❌ 不適切。短下肢装具では膝を制動できないため、ステージⅠでは膝折れして歩行できない。膝の支持性が出てから移行する。
3. 床からの立ち上がり訓練
❌ 不適切。膝立ち位で体幹が崩れる段階には難易度が高すぎ、転倒・外傷の危険が大きい。
❌ 不適切。膝立ち位で体幹が崩れる段階には難易度が高すぎ、転倒・外傷の危険が大きい。
4. 自転車エルゴメーターによる有酸素運動
❌ 不適切。ステージⅠでは麻痺側の随意的なペダリングができず、健側だけの運動になってしまう。
❌ 不適切。ステージⅠでは麻痺側の随意的なペダリングができず、健側だけの運動になってしまう。
5. 浴槽への移乗訓練
❌ 不適切。座位・立位の安定が得られていない時期には危険が大きい。ADL訓練は基本動作が安定してから段階的に進める。
❌ 不適切。座位・立位の安定が得られていない時期には危険が大きい。ADL訓練は基本動作が安定してから段階的に進める。
【試験対策ポイント】
- Brunnstrom recovery stage:Ⅰ弛緩→Ⅱ連合反応・痙縮出現→Ⅲ共同運動→Ⅳ部分的分離→Ⅴ分離運動→Ⅵほぼ正常。回復とともに装具は「大きい→小さい」へ移行する(KAFO→AFO→装具なし)。
- 装具選択の原則は「支持性が失われている関節だけを制御する」。膝が支えられないならKAFO、足関節だけならAFO。
- 発症直後でもバイタルが安定していれば早期離床・立位が原則。長期臥床は起立性低血圧・関節拘縮・筋萎縮・褥瘡・深部静脈血栓症など廃用症候群を招く。
- 立位訓練は下肢への荷重刺激により、伸展パターンの促通と体幹の抗重力活動の賦活にもつながる。
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