第47回 理学療法士国家試験 午後 第11問
義肢装具学第47回午後
第47回 理学療法士国家試験 午後 第11問(義肢装具学)の正答は 4 です。装具選択の原則は「支持性が失われている関節だけを制御する」ことです。
問題
68歳の男性。作業中に脚立の上から転落したため搬入された。強い腰痛を訴え、下肢の運動麻痺が認められる。脊椎 MRI(別冊No. 4)を別に示す。同日、脊椎固定術を行い、リハビリテーションを開始した。受傷 3 か月後の MMT による筋力を表に示す。この時点で、下肢に使用する装具として適切なのはどれか。
- 1. MSH-KAFO
- 2. 右 KAFO
- 3. 右 KO
- 4. 右 AFO ✓
- 5. 右足底装具
正答:4番
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解説
■ 正答:4番 — 右 AFO
装具選択の原則は「支持性が失われている関節だけを制御する」ことです。受傷3か月後の時点で筋力低下が右下肢に限られ、股・膝関節周囲筋(とくに大腿四頭筋)が抗重力位で働くレベルまで回復し、足関節背屈筋の低下による下垂足が残っている状態では、制御が必要なのは足関節だけです。したがって右AFO(短下肢装具)が適切です。
【各選択肢の解説】
1. MSH-KAFO
❌ 誤り。内側単支柱型の両側長下肢装具で、対麻痺のように両下肢とも膝の支持性がない例に用いる。片側のみの障害に対しては過剰な装具となる。
❌ 誤り。内側単支柱型の両側長下肢装具で、対麻痺のように両下肢とも膝の支持性がない例に用いる。片側のみの障害に対しては過剰な装具となる。
2. 右 KAFO
❌ 誤り。長下肢装具は膝の支持性が得られない(膝折れする)場合に選ぶ。膝伸展筋が抗重力位で働く例では重く不要な制動となり、かえって歩行を妨げる。
❌ 誤り。長下肢装具は膝の支持性が得られない(膝折れする)場合に選ぶ。膝伸展筋が抗重力位で働く例では重く不要な制動となり、かえって歩行を妨げる。
3. 右 KO
❌ 誤り。膝装具は膝の側方動揺や反張膝の制御が目的で、足関節の背屈補助はできない。下垂足によるつまずきは解消しない。
❌ 誤り。膝装具は膝の側方動揺や反張膝の制御が目的で、足関節の背屈補助はできない。下垂足によるつまずきは解消しない。
4. 右 AFO
✅ 正しい。足関節を背屈位に保持することで、遊脚期の足尖の引っかかりと立脚初期のフットスラップを防げる。片側の下垂足に対する第一選択である。
✅ 正しい。足関節を背屈位に保持することで、遊脚期の足尖の引っかかりと立脚初期のフットスラップを防げる。片側の下垂足に対する第一選択である。
5. 右足底装具
❌ 誤り。足底挿板は足部のアライメント調整・除圧が目的で、足関節の背屈補助や底屈制動はできない。
❌ 誤り。足底挿板は足部のアライメント調整・除圧が目的で、足関節の背屈補助や底屈制動はできない。
【試験対策ポイント】
- 装具の高さは残存筋力(MMT)で決まる。膝伸展筋がMMT3以上で膝折れしなければAFO、膝折れするならKAFO、体幹の支持も得られなければ骨盤帯付き(HKAFO)へと上げる。
- 下垂足(前脛骨筋=L4〜L5支配)の典型徴候は鶏歩・フットスラップ・つまずき。AFOで足関節を背屈0度付近に保持して対応する。
- 脊髄損傷における歩行の目安:L2以下の残存で長下肢装具+松葉杖による実用歩行、L4以下の残存で短下肢装具歩行が現実的とされる。
- 装具は「多いほど安全」ではない。過剰な制動は重量とエネルギー消費を増やし、残存機能の使用を妨げる。
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