PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午後 第24問

理学療法評価学第47回午後

第47回 理学療法士国家試験 午後 第24問(理学療法評価学)の正答は 2 です。腹臥位での膝屈曲に伴って股関節が内転したという点が手がかりである。

問題
腹臥位で膝関節の屈曲を指示したところ、膝関節はわずかに屈曲し、同時に股関節は軽度内転した。代償運動を行っている筋はどれか。
  1. 1. 腸腰筋
  2. 2. 薄筋 ✓
  3. 3. 縫工筋
  4. 4. 大腿四頭筋
  5. 5. 腓腹筋

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 薄筋

腹臥位での膝屈曲に伴って股関節が内転したという点が手がかりである。膝屈曲作用と股関節内転作用を併せもつ筋は薄筋(内転筋群のうち唯一の二関節筋)であり、ハムストリングスの筋力低下を薄筋が代償したと考えられる。


【各選択肢の解説】

1. 腸腰筋
❌ 誤り。腸腰筋は股関節屈曲筋であり、膝関節をまたがないため膝屈曲には関与しない。腹臥位での代償では骨盤前傾・股関節屈曲として現れる。
2. 薄筋
✅ 正しい。薄筋は恥骨下枝から起こり脛骨粗面内側(鵞足)に停止する二関節筋で、股関節内転+膝関節屈曲(と下腿内旋)に働く。膝を屈曲させながら股関節が内転したのはこの筋の代償である。
3. 縫工筋
❌ 誤り。縫工筋も鵞足を構成する二関節筋で膝屈曲に働くが、股関節では屈曲・外転・外旋に作用する。内転は起こらない。
4. 大腿四頭筋
❌ 誤り。大腿四頭筋は膝関節の伸展筋であり、膝屈曲の代償にはならない。大腿直筋は股関節屈曲にも働く。
5. 腓腹筋
❌ 誤り。腓腹筋は膝屈曲を補助するが股関節はまたがないため、股関節内転は生じない。腓腹筋による代償では足関節底屈が出現する。

【試験対策ポイント】

鵞足を構成する3筋=縫工筋・薄筋・半腱様筋(覚え方「縫・薄・半」)。いずれも膝屈曲+下腿内旋に働くが、股関節での作用が異なる。縫工筋=屈曲・外転・外旋/薄筋=内転/半腱様筋=伸展。この違いが代償運動の見分けの決め手になる。

MMTでの膝屈曲テストは腹臥位で行い、下腿外旋位で外側ハムストリングス(大腿二頭筋)、内旋位で内側ハムストリングス(半腱様筋・半膜様筋)を分けて評価する。代償の一般則として、股関節屈曲が出れば腸腰筋、足底屈が出れば腓腹筋、股関節内転が出れば薄筋を疑う。

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